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デカセギ問題の理解深めて=21日に地域協力者の集い=CIATE

2006年9月14日付け

 国外就労者情報援護センター(CIATE、二宮正人理事長)のセミナー「第三回地域コラボラドーレスの集い」が十七日午前九時半から、サンパウロ市のブルーツリー・パウリスタ・ホテル(Rua Peixoto Gomide,707)で実施される。デカセギをめぐる諸問題についての講演のほか、CIATEの地域コラボラドールが自身の体験などを話す。田尻慶一専務理事と、セミナー出席のため来伯した伊藤昌輝・海外日系人協会専務理事、藤川久昭・青山学院大法学部助教授が案内のため来社、一般からの参加を呼びかけた。
 同セミナ―は以前、地域コラボレーターの研修会として実施されていた。デカセギ問題に対しての理解を深めてもらおうと一般公開されるようになってからは、今回で三回目の開催となる。
 当日は、日伯の専門家がデカセギをめぐる諸問題について講演。日本からは藤川助教授(「日本における外国人労働者の法的諸問題」)、尾崎正利・青森中央大学大学院教授(「日本の製造業における雇用構造の二極分化と外国人受入政策の問題」)などが来伯した。
 ブラジル側からはJBC出版社編集局理事のハツシカノ・レジナール・パトリシア氏が「日本の労働市場および日本で働くブラジル人を取り巻く諸問題」と題して講演。在聖総領事館の清水俊昭領事が在日ブラジル人の犯罪について解説する。
 このほか、地方で地域コラボレースとして働くボランティア四人が各々、日本でのデカセギ経験を話す。歌手の平田ジョーさんも参加し、「私の日本での生活体験」と題した講演を行う。当日は平田さんの歌の披露もある。
 東京都が実施する外国人労働相談でアドバイザーも務めている藤川助教授は、在日外国人の労働問題について「日本の労働法のルールに適応できない外国人も多い」と話し、「日本に着いてからトラブルを避けるため、事前にできるだけ知識を深めることが大切」と述べた。
 九八年までリオ総領事で、六月から同協会専務理事をつとめる伊藤氏は、「計画を立てずに日本へ行くデカセギも多い」と話し、訪日前の情報収集、日本社会への理解を深めることの重要性を強調。そのための機関としてCIATEの役割を位置付ける。
 田尻専務理事も「ブラジルへの帰国者のうち、成功者の割合は一〇%以下というのが現状。安易な気持ちでデカセギに行くのではなく、きちんと計画を立ててから行くべき」と実情を指摘。「(同セミナーは)オープンなので、興味のある方は出席して頂きたい」と参加を呼びかけた。
 当日は午前九時半開会、午後六時終了予定。同時翻訳あり。参加費無料(参加希望者は、十五日まで同センターに電話連絡が必要)。
 問い合わせは、CIATE(11・3207・9014)まで。

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