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PT党員6人に逮捕状=執行は選挙の3日後=捜査引き延ばしと野党猛反発

2006年9月28日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】救急車スキャンダル事件に絡む個人情報データ買収事件、いわゆるヴェドイン資料スキャンダルの捜査で、マットグロッソ州連邦地裁は二十七日未明、検察庁の要請を受け入れて、労働者党(PT)党員六人の逮捕状を執行した。このうち三人はルーラ大統領の側近といわれ、大統領の身辺にさらに捜査が及ぶことが予想され、今後の展開が注目されている。
 地裁の決定は連警に伝えられたものの、選挙法による現行犯以外は、投票日の五日前および四十八時間後までは逮捕できないことから、逮捕の執行は十月四日午前〇時以降に持ち越された。
 一連の連警の捜査に野党側の不満が高ぶっている中で、今回の逮捕劇も与党および政府の圧力だとする声も多い。地裁の決定は二十七日午前一時半になされたが、午前〇時にはすでに選挙前の逮捕期限が切れていた。検察側は先週、逮捕状の執行を要請したが、別の判事に却下された経緯がある。うがった見方では、逮捕できないのを知って逮捕状を執行したとしている。
 逮捕状が出されたのは、買収金を保有して十五日に現行犯逮捕された二人の元党員に加え、大統領の八〇年代からの個人的友人で元大統領特別補佐官(事件発覚後に解任)のゴドイ容疑者で、データ買収を命じたとされている。
 元労働省次官で、今回の大統領再選の参謀の一人のバルガス容疑者と同じく、参謀のロレンゼッチ容疑者はともに、週刊誌にデッチ上げ記事を掲載すべく工作した疑い。この三人は古くからの大統領の盟友で、労組時代に始まり、共に選挙を戦ってきた間柄で、今回のスキャンダルで大統領の疑惑の鍵になるとみられている。もう一人の逮捕者はPT党員の元中銀理事(同様に解任)で個人情報を提供した疑い。
 このほか、野党筋は選挙を視野に入れた捜査の引き延し作戦だとして政府を非難している。スキャンダルの核心とされる資金の動きについては、ドルはマイアミ銀行からサンパウロ市の市中銀行に送金されたことがアメリカ側からの連絡で突き止められたが、送金の受入れなどは守秘とされている。また国内のレアル紙幣の動きは捜査の進展がないとしていることから、野党側は猛反発している。

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