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からくり人形とロボット=IKUO三橋さん伯公演=国際交流基金

2006年10月5日付け

 パントマイム(無言劇)サーカスの演出家、IKUO三橋さんが十二日にサンパウロ市ヴィラ・マリア―ナ区のSESC(Rua Pelotas, 141)で「からくり人形とロボットデモンストレーション」を行うため、九月二十六日に来伯した。同公演事業は、国際交流基金サンパウロ日本文化センターの助成で実施される。
 三橋さんは、一九七一年にサーカスの本場フランスへ渡り、パリのパントマイム学校で学んだ。その後はパリ国立サーカス学校の講師を務め、八一年までの十年間、三十カ国で公演。日本に帰国後は、横浜市でパントマイムサーカスの劇団「むごん劇カンパニー」を設立。現在は同劇団の代表として活躍している。
 記者会見では、水銀を利用した重心移動によって絶妙なバランスで見事に段返りをする「段返り人形」(当日は水銀の代替として、多数の小鋼球を使用した人形を使用)や「茶運び人形」など、日本伝統の「からくり人形」を紹介したほか、六カ月前に製作された最新の現代ロボットを披露した。
 江戸時代、庶民の娯楽として浮世絵、歌舞伎と共に普及したからくり人形。
 三橋さんは「この江戸期に日本の基があるといっても過言ではない。日本・日本人の特質である〃勤勉さ〃や〃追究心〃によって作り上げられたからくり人形と驚異的な進歩を遂げている現代ロボットを通して〃日本の文化の源流〃を知ってもらいたい」と今回の公演の目的を話す。
 文化庁派遣文化交流使としてフランス語圏を中心に活動してきた三橋さん。「『あるぜんちな丸』の放送劇を中学生の頃に行ったことをきっかけにブラジル移民の〃底知れないパワー〃を知った。フランスでは、サーカスを通して出会ったブラジル人の身体能力に魅了された」と話し、「ブラジルには一度足を踏み入れてみたいと思っていた」と述べていた。
 十二日のSESCヴィラ・マリーナ公演は午後二時半から三時まで。入場無料。
 三橋さんは滞在中、四日にベロオリゾンテ市の「ジャパン・ウイーク」に出演、六日はチラデンテス市文化センター、九日と十日はリオデジャネイロ市の広報文化センターで公演を予定している。
 問い合わせは、国際交流基金(11・3141・0110)まで。

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