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東西南北

2006年10月31日付け

 南米の左傾化は、世界の注目のようだ。現時点では南米各国の左翼政権は足並みが揃っているわけではないが、南米の新しい勢力圏形成で試行錯誤している。ルーラ政権も米国に一定距離を置いているが、二期政権が決まったいまG20の結束に動くらしい。
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 ペードロと妻エジャネ、妹のスラミッタは馬車をロバに牽かせてジャサナン区のスラム街からパウリスタ大学まで投票に行った。同郷出身のルーラ大統領が当選したら、私たちの三票が入っているからロバに礼をいってくれという。毎月八〇レアルの扶助金をもらい感謝している。三人のバス代は払えないから高速道路をぬってロバに連れて行ってもらった。
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 決選で敗れたアウキミン前サンパウロ州知事は、上議も下議にもなる気はない。党活動に専念する気持ちも、党首になる意欲もない。自分でも管理職タイプを自認し、議会で格好よい弁舌を振るうのは趣味でない。もしも、適うならサンパウロ市長になりたいと記者に述懐した。
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 人生は音楽に合わせて踊れというが、ルーラ大統領は法律という音楽に合わせて踊らなければならないとカルドーゾ前大統領が語った。いわれたような大統領選挙の三回説は否定した。しかし、選挙に裏金やアングラ・マネーを持ち出し、出所の説明を求めると「知らない」では国民をバカにしていると抗議した。まだ、一もめあるらしい。
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 マイア・リオ市長は「ブラジルの政治家もEUの政治家にならい、生涯に恨みを残し復讐を誓うような陰湿な中傷を止め、傷がすぐに癒える議論に留めるべきだ」と訴えた。

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