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百周年執行委=もっと戦後移民の加勢を=次は事業責任者の任命へ=事務局機能を強化

2006年11月22日付け

 「次は、小委員会の任命に着手します」。十四日午後、百周年記念協会事務局で行われた執行委員会の記者会見で、遠山景孝広報委員長の立ち会いのもと、松尾治執行委員長は先に発表した委員長人事の次に、各プロジェクトの責任者(小委員会の代表)を任命するとの考えを明らかにした。
 同記念協会が承認した共催・支援プロジェクトの総数は二百を超えるが、主催事業は箱モノ四事業を入れて二十六。新執行委員長の方針として箱モノ以外、式典などの二十二が優先されることが打ち出され、先の理事会でも承認された。
 この二十二事業に関しても「早急に責任者を任命し、小委員会をたちあげ、実際に可能かどうかを検討する。場合によっては中止されるプロジェクトや、逆に新しく入るものも出てくるはず。一月にはもっとはっきりする」と松尾執行委員長は見通しを述べた。
 例えば新事業の候補は学術シンポジウム。USP法学部と医学部が慶応大学との記念シンポジウムを〇八年に計画しており、訪日中のUSP学長がすでに打ち合わせをしているという。
 主催事業以外でも日本側からも、ミリオンセラーを記録した『四季の歌』で有名な歌手・芹洋子のショー、オペラ公演、社交ダンス公演などいろいろな申し出が連日舞い込んでおり、対応に追われている状態だという。
 先の理事会で承認された委員会人事の日伯政府関係委員会で、日本政府関係は二宮正人氏が担当することが改めて発表された。
 各委員会を束ねる総務委員会の委員長は、空席のまま。大浦文雄、菊池義治の両副委員長はそれぞれアルモニア日伯学園構想、援協福祉センター建設に専念するために辞表を提出、承認されている。当面は桂川富夫氏のみが当面は地方団体との交流を担当するコーディネイター役で留任する。
 総務委員会不在の状況のため、事務局機能を強化するという。新聞に事務局長募集の広告を掲載したところ、現在五人の候補者がきており、順次面接して決めていく。
 事務方のポ語担当は清水リジア同事務局職員、原長門氏、日本語担当は田中洋典氏、小松雹玄氏らが文書のやりとりなどを円滑に行うようにする。
 松尾執行委員長は「もっと戦後移住者の加勢がほしい。一世と二世の溝を埋めていきたい」との抱負を繰り返した。
 そのほか、日本政府は百周年を記念して百人を外務大臣表彰する方針を表しているという。ブラジル人もその対象だが、今までに叙勲されていたり、すでに亡くなった人は対象外。サンパウロ州在住者が六割程度、他州が四割ぐらいという。
 桂川氏をコーディネイターとする顕彰委員会が選考準備を始めている。日本政府以外にも、百周年協会独自、各地の百周年委員会による顕彰も予定されている。
 同協会は資金集めの一貫として記念商品の卸売りをはじめている。ロゴ入り徽章(バッジ)やTシャツを日系団体や地方団体などにまとめて買ってもらい、その団体に小売りしてもらうことで双方に利益の残る形にする計画。購入を希望する団体は同事務局(11・3209・3875)まで連絡を。

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