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百周年協会=大口寄付第一号は日本から=IPC=ポンと100万レアル寄付=「立派な百周年をやって」

2006年11月30日付け

 日本からポンと百万レアルを寄付──。ブラジル日本移民百周年記念協会(上原幸啓理事長)への、初めての大口寄付の贈呈式が二十九日午前に同事務局で行われた。寄付したのは、日本でポ語新聞や衛星放送などを運営するインターナショナルプレス・ジャパン(以下、IPCと略)=本社・東京都大田区=。ブラジル日本移民百周年への最初の〃呼び水〃が在日の日系企業からとは、従来の周年事業とは一風違ったスタートとなったようだ。
 百万レアルは大金だ。上原理事長は謝辞のなかで、「寄付を申し込む手紙の金額を見たとき、一瞬、気絶しそうになり、言葉を失いました」とふりかえった。「私の辞書には、これほどの喜びに対して感謝の気持ちを表す言葉はのってない」と顔を高潮させながら熱弁をふるい、感謝の言葉を繰りかえした。
 立ち会った西林万寿夫総領事も「この十一月は百周年にとって大きな曲がり角を迎え、ステップをひとつあがった」と語り、大統領令によりブラジル側組織委員会が立ち上げられ、日本側でも実行委員会の第一回幹事会が行われたのに加え、「〃呼び水〃どころかいきなり洪水状態。画期的な寄付がもたらされた」と称揚した。
 「年頭から〃加速の年〃と位置付けられていたが、最後になって勢いがでてきた」と評価した。
 受け取る側の松尾治執行委員長は、「おかげで輝かしい出発を飾ることができた。これで立派な式典ができる」と安堵の表情を浮かべつつ、「でも、まだまだ足りない。さらにみなさんからのご協力を」と呼びかけた。
 寄付の打ち合わせを行った中矢健二レナート財務委員長も、創業した村永家の日本での成功を賞賛し、「立派な百周年を実現することで感謝の気持ちを表したい」と語った。
 IPCグループを代表して、村永レオナルド社長は「日系子孫として、ぜひとも立派な百周年にしたい。今回は第一歩、これからも協力を惜しまない」と力強く述べ、大きな拍手が送られた。百周年にちなんで百万レアルに決めたという。
 日本からはIPCワールドの村永祐二アルトゥール社長、デジタルブリッジコミュニケーションズの伊藤隆一取締役も来伯した。
 インターナショナルプレスは、在日ブラジル人向けのさまざまなメディアを持つグループ企業。一九九一年九月に創刊された週刊ポ語新聞が最初で、現在では発行部数六万部を数える。九四年からはスペイン語版も創刊。
 増え続ける在日フィリピン人にも着目し、九五年からタガログ語・英語月刊無料情報誌「フィリピン・ダイジェスト」も発行。その他、各種出版物のほか、ポ語とスペイン語の衛星放送チャンネルも運営している。
 遠山景孝広報委員長も「記念すべき大口寄付の第一号の発表ができることは本当にありがたい」と語った。
 団結に欠けるブラジル日系社会より、日本のブラジル人社会の勢いを見せられた格好のようだ。同記念協会では今後、ブラジル内でも募金活動を本格化していきたいとしている。