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安馬と「ちゃんこ」を=三世女性ら望外の喜び

2006年12月1日付け

 大学教師の西原パウロさん(68、サンパウロ在住)は、このほど、東京から送られてきた大相撲力士・安馬(あま、22)の写真を受け取った。東京在住の娘二人が安馬の所属する安治川部屋を訪ね、安馬らと撮った写真だった。一方、西原さんは、去る十一月二十三日付の本紙「ぷらっさ」欄に武地志津さんが書いた「大相撲所感」を読んで、安馬が特異のすばらしい力士であることを知った。
 東京で安治川部屋を訪ねたのは西原さんの娘パウリーナさん(34、主婦)と妹のラウリーナさん(29、主婦)、ラウリーナさんの娘レナちゃん(3つ)。三人は、名古屋在住の安治川部屋の有力な後援者・大河内マサヨシさん(印刷会社経営)に連れていってもらった。大河内さんは、姉妹が日本に嫁いで以来の知人。去る十月十五日のことだった。
 同日、三人は安治川部屋で「ちゃんこ」をごちそうになった。驚いたのは、部屋内の上下のケジメがしっかりしていることだった。幕下以下の力士は、安美錦や安馬ら関取(幕内および十両の力士)が食べ終えるまで、ちゃんこには絶対箸(はし)をつけず、調理から給仕まで、付きっきりで世話をしていた。客であったラウリーナさんらも給仕をされた側だった。
 安馬は、子供好きで、レナちゃんを抱き上げた。ラウリーナさんによれば、安馬は「紳士」「人格は丸い」「(土俵にあがれば)相手から逃げない。キタナイことはしない」。そして「モンゴル人とは感じられない。まるで日本人」。
 「ぷらっさ」欄で武地さんは次のように書いた。「(幕内力士のなかで)最軽量ながら、モンゴル出身の安馬などは、どんな大きな相手にも渾身の力をふり絞って、真っ向から取り組む姿勢が凛々しい。日本人に生まれて来たかったとも話すらしい安馬は、近年の相撲不人気に一番心を痛めるということだ。つねに観客が喜ぶ相撲を取りたいと話す安馬の心意気が自ずと取組みにも表れているような気がする」。
 ラウリーナさんの印象、感想とほとんど一致している。西原さんは、すでに武地さんの随想が出た新聞を安馬のもとに送った。世話好きな人だ。安馬に対してブロマイドにサインをして、武地さんに送ってくれるよう、依頼したようである。
 安治川部屋のホームページに記された安馬は、趣味「絵を描くこと。読書」、長所「やさしい」、短所「短気」、好きなタイプ「お母さん」。

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