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「先輩、仲間たちの勲章」=山城さん叙勲祝賀会に300人=沖縄県人会

2006年12月2日付け

 二〇〇六年秋の叙勲で旭日双光章を受章した山城勇さんの祝賀会が十一月三十日夜、サンパウロ市の沖縄県人会館サロンで開かれた。沖縄県人会、在伯沖縄青年協会が主催、サンパウロ市内、近郊の各支部から約三百人が祝福のため訪れた。
 山城さんは現在七十七歳。一九五八年に沖縄産業開発青年隊第四次隊員としてブラジルに移住した。農業・野菜販売の傍ら、沖縄県人会長、沖縄文化センター理事長などの役職を歴任、日伯交流に果たした功績によりこのたびの叙勲となった。
 同日午後にはサンパウロ総領事公邸で家族、県人会関係者など約五十人臨席のもと、叙勲伝達式が行われている。
 午後六時半から始まった祝賀会では、最初に共催団体の与儀昭雄県人会長、宮平守雄・在伯沖縄青年協会長があいさつ。長年同会の運営や後進育成に力を注いだ氏の功績を称えた。
 舞台正面に座った山城さんと夫人の千枝子さんに家族から花束を贈呈。その後山城さんがマイクを持った。
 「移住当時の沖縄は軍政下で敗戦国民としての悲哀を味わいながら、なんとか生き抜いていた時代でした」と話す山城さん。移住後四十八年の歳月を振り返り「自分を受け入れてくれたブラジル国や、よき指導、育成をしてくれた県人会の先輩方、青年隊の仲間に感謝を捧げたい。今回の叙勲は大先輩各位や支援・協力してくれた仲間、青年隊諸君に与えられた勲章だと思います」と謝意を表わした。そして「これからも健康の続く限り、県人会、日系社会、そして養国であるブラジルのため微力ながら尽くしていきたい」と述べた。
 与那嶺真次ブラジル沖縄文化センター理事長の発声で乾杯。山城夫妻に握手を求める出席者の長い列ができた。舞台では三線や琴による祝賀合同演奏や、琉球舞踊も披露され、祝宴は午後九時ごろまで続いた。
 家族、親戚や県人会関係者など約三百人が参集。麻生太郎外務大臣や稲嶺惠一沖縄県知事など日伯両国から祝電が寄せられた。「恥ずかしいような気もしますね」と山城さん。「一緒に喜んでもらえ、感謝しています」と、にぎわう会場で喜びを表わしていた。

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