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アリアンサと共に七十余年=06年秋の叙勲=新津英三さんの栄誉を祝う

2006年12月7日付け

 二〇〇六年度秋の叙勲で旭日単光章を受章した新津英三さん(91)への叙勲伝達式が四日午後、サンパウロ市モルンビー区の在サンパウロ日本国総領事公邸で行われた。家族、友人や県人会関係者をはじめ、アリアンサ出身者など約三十人が駆けつけ、新津さんを祝福した。
 伝達式で西林万寿夫総領事は、第一アリアンサ文化体育協会、アリアンサ日伯文化体育協会会長を歴任し、その間日本語教育の充実発展に貢献した新津さんの功績を称え、日系社会でのさらなる活躍を祈念する言葉を述べた。
 勲章・勲記を伝達された新津さんは、「自分はただの百姓ですから」と謙遜。「何年も前から申請要請が出ていたが辞退していた。身分不相応なるものを貰ったと思う」と感想を話した。
 新津さんは、長野県出身。下高井農林学校を卒業した翌年の一九三四年に親戚を頼り、一九歳の時モンテビデオ丸で来伯した。
 温厚な性格ながら、実行力と指導力を有し真面目な人柄。同世代からの信望も厚く、三六年に第一アリアンサ第六区青年団・新光青年会の会長に就任。青年層のリーダーとして近隣邦人移住地と野球・陸上競技などのスポーツ振興に力を注いだ。
 八七年からは、第一アリアンサ文化体育協会の会長を務めたほか、アリアンサ日伯文化体育協会の会長も十三年間歴任。その間同地区の日本語教育発展や、移住地内のインフラ整備、生活改善、定住促進の指導に貢献。こうした功績と、現在に到るまで同地で一貫して移住地発展のため、また子孫のための日本語教育、後継者育成に励んできたとして今回、旭日単光章を受章した。
 伝達式には家族や親戚、友人のほか、出身県の長野県人会、日系団体関係者など、約三十人が臨席、新津さんを祝福した。
 「いつも一生懸命だったので、いずれは貰うのはないかと思っていた」と話すのは、親戚の佐々木克さん。
 同船者の羽田武人さんは、「英三さんは自分の兄のような存在。功績を認められた事は自分の事以上にうれしい」と喜びを表していた。
 なお現在、新津さんは第一アリアンサ文協の相談役として、アリアンサ入植八十年の記念誌の作成に関わっている。

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