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文協=総領事夫妻も演奏=慈善夕食会に5百人

2006年12月15日付け

 ブラジル日本文化福祉協会(上原幸啓会長)は十三日夜、文協大講堂の改修工事および、慈善活動基金収集のためのチャリティーディナーコンサートを開催した。西林万寿夫サンパウロ総領事夫妻によるバイオリンとピアノ演奏ほか、「サンスイ」の社長夫人ジュリア・ホンダさんによるクリスマスソング集、矢崎愛さんがピアノを独奏。会場には、外務省サンパウロ事務所のジャジエル・フェレイラ・オリベイラ大使や、吉田コンスエロ・ブラジル連邦判事も臨席。日系団体関係者ら約五百人(主催者発表)が集まり会場はおおいに盛り上がった。
 同コンサートは会費百五十レアル。サンパウロ市でも有数のブッフェ、ピニェイロス区のエスパッソ・ローザ・ロザルンを経営する高岡マルセロ氏が会場を提供した。
 上原会長が「今晩の目的は資金集め以外にも、日頃文協を応援して下さっている仲間・友人に集まって頂く目的で開催しました」とあいさつ、コンサートへ。
 西林総領事は、喜久子夫人のピアノ伴奏と共に、ジュール・マスネの『タイスの瞑想曲』、ベートーベンのソナタ第五番『春』第一楽章と日本の『浜辺のうた』の計三曲を演奏した。
 喜久子総領事夫人によれば、『タイスの瞑想曲』と『浜辺のうた』は、総領事のレパートリーで、『春』は今回のために練習した曲。総領事は、「二曲目(春)は難しい曲なので集中が必要だった。会場のみなさんも静かに聴いてくれたので何とかなった」とほっと胸を撫で下ろした様子で感想を述べた。
 ジュリア・ホンダさんによってピアノ演奏がされたのは、『ジングルベル』、『きよしこの夜』といったクリスマスソング集。
 矢崎愛さんは、ブラジル人の作曲家エルネスト・ナザレの『エスコレガンド』と日本の『さくら』をピアノで独奏、来場者に披露した。
 コンサート終了後のディナーの席で喜久子総領事夫人は、「今日はクリスマスソングもあり、バラエティーに富んでいて楽しいコンサートになったと思う」と感想を話していた。
 この日のためにグァタパラ市から駆けつけた川上淳グアタパラ農業文化体育協会会長は「やはり文協の事業に協力するのはコロニアのメンバーの一人として大切なこと」と述べ、総領事夫妻の演奏に対して「二人の息が合っていて素晴らしかった」と絶賛していた。
 上原会長は、「みなさんの演奏は本当に立派。百周年の歴史のページに残る立派なコンサートだった。とにかく皆さんの支援に感謝です」と述べていた。
 今年十月末で赤字が約十一万レアルに上るなど財政再建が課題となっている文協。先月末から今月の始めにかけては、日系の造型・工芸作家らによる「文協資金カンパ展」が開催されている。ディナー会場で上原会長は、文協を支援する日系作家たちにも感謝の意を示していた。
 当日は抽選会も行われ、故・間部学、沖中正男、間部ユーゴ、豊田豊、久米ルーシオ、金子謙一、中久保益男ら日系芸術作家の作品をはじめとする多数の賞品が贈られた。

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