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コラム オーリャ!

2007年3月7日付け

 日本の報道によれば、米議会で現在、第二次世界大戦中に行われた中南米日系人強制移送の調査を求める法案が提出されている。
 日米開戦にともなう中南米日系人の強制移送は十三カ国、二千二百人あまり。そのうち八割はペルーからだったという。
 同じく敵性国民とされた在伯日系人の場合、米国への移送はなかった。それでも四二年にサンパウロ市の日本人街コンデ、翌四三年にはサントス沿岸地域の日系人が強制立退きを受けた。北伯でもトメアスー植民地への隔離収容が行われている。それまで築いた財産を失った人も多い。
 昨年十二月、ブラジルでは戦中に接収された旧サントス日本語学校が返還された。今回の日系人移送究明の動きも、ここまでに六十年以上の歳月が過ぎていることを思うと、あの戦争が各国日系社会に残した傷の深さを改めて感じる。(ま)

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