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ジャカレイ=篤農家の殺害事件受けて=軍警と安全対策会議

2007年3月15日付け

 サンパウロ州東部のジャカレイ市で、去る二月十二日早朝、農場経営者の吉田管六さん(80)が、何者かに背中を撃たれて殺害された事件を受けて、同月十五日、農村部の安全対策に関する特別会議が、同市にあるサンパウロ州工業センターの講堂で開かれた。
 吉田さんと親交のあった天谷カルロス・ジャカレイ日伯文化体育協会会長や同市の農村協会会員、パウロ・トゥルチさんらが、地元治安当局などに呼びかけて実現したもの。
 会議には市役所やサンパウロ州軍警関係者、各地域の住民代表者など約九十人が参加し、吉田さんが殺害されたケースを参考にした安全対策案や、同地域で頻発する〃電線どろぼう〃など、さまざまな問題について話し合われた。
 会議参加者には飯星ワルテル下議の補佐安田ミノルさんも天谷さんと一緒に顔を見せていた。軍警側の出席者は、ジャカレイ地区のオット・コマンダンテ、市保安局のベリニ局長、ペドロ・デ・ファッチマ・シルバ第二警察デレガードら。
 天谷さんによれば、同規模の安全対策会議が開かれたのは十年前に続いて二回目。現在は地域のリーダーや軍警関係者を交えた報告会を随時開催し、安全対策の情報交換を続けている。
 吉田さんは殺害された当日、自宅から約百メートル離れた藪(やぶ)のなかで、農場の従業員を迎えに出ていた吉田さんの息子によって偶然、発見された。
 吉田さんは一九八五年から八八年まで、同文化協会の会長をつとめた。天谷さんによれば、吉田さんの趣味は剣道で、活発で行動的な性格だったという。自身の農場では花器や果物を栽培していたほか、乳牛の飼育などを手掛け、地域ではよく知られた人だったという。

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