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コラム 樹海

2007年3月30日付け

 「エンシャーダを引いていた人も社交ダンスをやるようになったか」―コロニアでも全盛とあって、やらない人は半ばやつかんでこう言う。だが、それは、ちょっと違う。いまの社交ダンス愛好者の厚い層は、エンシャーダを引いてくれた人たちの子孫たち、といっていいからだ。引いてくれた人たちがいたからこそ、今がある▼社交ダンスの効用はすごい。下半身の鍛錬になる、身のこなしがスマートに、運動神経が向上する、マナー(日常の所作)がよくなる、さらに恥ずかしがりが矯正される、などなど。人間関係がよくなる、というのもあったが、これは「うーん?」。いや、愛好者がみんな淑女・紳士であれば、さもありなん、と思うが…。いちばん卑近な言い方をすれは「体中の血のめぐりがよくなる」だ▼各県人会は「楽しむ教室」のなかにこれを導入する。会館にサロンを持つ県人会にとっては、必須ともいえる。今後、増えこそしても、減ることはないだろう。授業料に尺度はないかもしれないが、意外と安いのにも驚く。県人会の教室を「梯子(はしご)する」人もいるわけだ▼教室の開始時間が朝、というのも特徴である。テルセイラ・イダーデにとっては、このほうが好都合だ。壮年層の主婦もこの時間帯に通う。好きなことは何よりも優先されるのだ▼さて、いくら社交ダンスの効用を説かれても、実行に一歩踏み出せない〃人種〃がいる。「日本男児が…」とかいって。これにつける薬はないようだ。(神)

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