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アリアンサ移住地から情報提供の呼びかけ《下》=アリアンサの過去を伝える『ありあんさ時報』=寄稿=渡辺伸勝

2007年4月5日付け

 アリアンサでは、二〇〇五年にアリアンサ移住地史編纂委員会を立ち上げ、アリアンサ八十年史の編纂活動を行なっていることは前回お伝えした。
 アリアンサ史を編纂するに当たり、最も参考になる文献は、やはりこれまでに六冊発刊されている移住地史(アリアンサ創設十年他)である。
 しかし、それだけでは不十分である。なぜなら、1)これまでの移住史には当時の執筆者の観点が反映されており、筆者の視野から離れた事実に関してはまったく記載がないし、2)重要な出来事をめぐる事情については詳細に語られているものの、生活の風景や住民の生活実態などについても記載がないからだ。
 これまでの移住地史から抜け落ちた事実を拾い上げるためにも、また、先行する文献を再検証するという意味でも、過去のアリアンサの姿を伝える別の資料が必要なのである。
 その意味でアリアンサの場合、幸いにも『ありあんさ時報』という新聞が発行されていたのである。ありあんさ時報とは、日本力行会アリアンサ支部の事業として、一九三〇年四月二九日、社長・勝田正通(まさみち)、編集責任・弓場勇によって創刊された。
 当初一年余はガリ版刷りの週刊紙であったが、その後、編集責任が仲川権三郎になってからは月三回発行のタブロイド判四頁の活字版となった。
 更にアラサトゥーバ移転後の一九三七年頃から「日伯協同新聞」と改名され週刊紙となって継続されたが、十周年を迎える一九四〇年四月を前にナショナリズムの規制により敢えなく廃刊となった。
 これは、当時のアリアンサの姿を伝える最高の資料である。ただ、これまでのところ、ありあんさ時報はわずかしか蒐集できておらず、大半は失われたままである。ありあんさ時報はアリアンサの歴史を知るための第一級の資料である。
 これをお持ちの方、その情報をお持ちの方はぜひとも、アリアンサ移住地史編纂委員会宛にご連絡頂きたい。
連絡先:矢崎正勝 
Associacao Comunidade Yuba Bairro 1a Alianca C.P.531 
Mirandopolis, CEP:16830-889 Sao Paulo
Tel.(018)3708-1247 / E-mail:masayuba@itelefonica.com.br

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