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コラム オーリャ!

2007年4月12日付け

 「専門書を使ってくれるのは嬉しいけど、貴重な本ほど返却されないので」―。サンパウロ人文科学研究所の脇坂勝則顧問は、今年から無料の蔵書貸し出しサービスを中止した理由をこう語る。
 同研究所は研究所の創立者だった中尾熊喜氏が寄贈した書籍など、三千冊を保有する。絶版本も多い。それらを目的に日伯の研究者が本を借りに来ていたが、返却率の低さが悩みだった。
 本の貸し出し再開のめどは、「司書の資格をもつJICA青年ボランティアが研究所に派遣されてから」と脇坂顧問。パソコンでの蔵書管理が確立してから検討したいという。
 「調査研究の成果である紀要と刊行書こそ、人文研の財産」。このほど掲載された研究所のホームページのコラムにもこう載っている。良心的なサービスを支えるのは、利用者のモラルにあると実感。(泰)

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