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「日伯交流年」「移民100周年」だから発行=意義深い記念硬貨=財務省、移民の功績も考慮=「ブラジルでの入手」調整中

2007年4月26日付け

 【既報関連】日本の財務省は十七日、「日本ブラジル交流年及び日本人ブラジル移住百周年記念貨幣」を来年の三月ごろに発行すると発表した。日本が他国との交流年で記念硬貨を発行するのは、ブラジルが初めてだ。記念硬貨について、そして、どのようにして入手するかを、同省から交際交流基金サンパウロ文化センターに出向中で、記念硬貨の発行に関わったことのある浦祐一主幹に話を聞いた。
 記念硬貨の発行は、財務省理財局国庫課通貨企画調整室が担当しており、財務大臣の承認を経て、独立行政法人造幣局でつくられる。
 「日本ブラジル――」の記念硬貨発行は、平成十九年(〇七年)度分として、同年度中に節目を迎える様々な事業の中から、〃記念硬貨発行にふさわしいもの〃として選ばれた。財務省は「移住者の労苦と功績を記念し、両国国民の交流を通じて両国交流の更なる発展を目的として」いるという。
 日本が年間発行する記念硬貨は、二、三種類で、平成十九年度記念硬貨の発行は「日本ブラジル――」と、「二〇〇七年ユニバーサル技能五輪国際大会」の二種類だ。
 浦さんは「まず、出すか出さないかの検討をし、発行が決まってからデザインの選考をする」。今回の場合、表裏面ともにいくつかの図柄が候補に上がっていたが、その中から、表面はサントスの「日本移民ブラジル上陸記念碑像」、裏面は「日伯の交流を表す意味」(浦さん)で桜の木とコーヒーの実の模様が選ばれたという。
 裏面にはポルトガル語で「日伯交流年・移住百年」と彫られているが、「他省庁から、ポルトガル語でも表記を入れて欲しいという申請があった」と説明。「日本にいるブラジル人やブラジルにいる人たちなど、日本語ができない人も意識したのではないか」と解説を加えた。
 「日本ブラジル――」の記念硬貨は、額面価格(五百円)での引き換えが可能だが、浦さんによれば「(額面価格以上の価格で販売される)プレミアム型に比べて、幅広く浸透しやすいでしょうし、多くの枚数が用意されることもある」。記念硬貨が多数の人にわたり、日伯の絆に繋がれば幸いだ。
 ただ、記念硬貨は原則、日本の各金融機関を通しての引き換えとなり、ブラジルの銀行では扱っていない。「基本的には、ブラジルでは手に入らない」と浦さん。発行枚数によっては、日本国内でも硬貨引き換えが競争になり、ブラジルにいる日本人、日系人が入手しにくい可能性もある。
 「発行枚数は、金融機関に引き取り希望枚数を聞いた上で決めます。ブラジル側でほしいという声があるなら、それを含めて考えるでしょうが、どれだけほしい人がいるのかが日本に伝わらなければ、ブラジルにいる人の分まで用意されないない」(浦さん)。
 財務省、また在クリチーバ総領事館は「ブラジル国内での入手方法については現在検討中である」との言葉を寄せている。いかにして、ブラジル在住者が記念硬貨を手に入れるかは、これからの調整事項になりそうだ。

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