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神戸でブラジル移民祭=日系人ら〃祖父母の道〃たどる

2007年5月5日付け

 【神戸新聞】ブラジルへの移民が一九〇八年に初めて神戸港を出発してから丸九十九年となった四月二十八日、神戸市中央区山本通の旧神戸移住センターで「ブラジル移民祭2007」が開かれた。かつて移民が歩いた港への道をたどるウオーキングには、日系ブラジル人ら約百五十人が参加し、新天地へと旅立った祖父母らに思いを寄せた。
 同センターは一九二八年の設立。七一年に閉鎖されるまで、南米へ旅立つ移民約二十五万人が出発の手続きなどをした。移民は同センターから港まで南北約三キロの坂道を、戦前は歩いて、戦後はバスで下ったという。
 この日、参加者は両国の国旗を手に出発。日系ブラジル人のための学校「滋賀ラテン学園」(大津市)の生徒ら約六十人も参加した。道沿いの商店主らも、昔と同じように手を振って見送った。
 神戸大に留学中で、将来は日本の移民を研究したいというアルベルト・ヒカル・シンタニさん(20)は「祖父母は同じ道を夢や希望を持って歩いた。そのおかげで僕はここにいることができる」と語った。

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