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長期化するINSS問題=文協=昨年も赤字11万レ=固定収入の確保が急務

2007年5月10日付け

 昨月二十八日に開催されたブラジル日本文化福祉協会の第一回評議員会で〇六年度会計報告が行われ、総資産が三千十八万八千レアルであることが発表された。経常収支は昨年の十四万四千レに続き、十一万六千レの赤字。文協の屋台骨を揺るがすINSSの課税額は四百五十万レに膨れ上がっているが、裁判で争っていくとともに会計のシステム、福祉事業を強化することで解決の糸口を見出す考えだという。
 流動資産に関しては、〇五年度の八十二万八千レに対して、四十五万三千レと大幅減になっているが、これはINSS問題対策でコンサルタント会社(M2)への支払い十五万レ、労働裁判費用六万五千レ、文協ビルの違法建築対策のコンサルタント料六千レが計上されている。
 文協事務局によると、今年五月現在の同資産は、約二十万レ増の六十六万レ。選挙の影響もあり、会費収入があったこと、今年三月に四十五万レで売却された旧コチア小学校(コチア市、Centro Educacional Jose Giorgi)の手付金五万が支払われたためだという。
 流動資産のうち、〇五年度の文協奨学金返却分十万八千レが一千レになっているが、これは収入にするとINSSの課税対象になるため、昨年度から会計処理を変更し、収支に組み込まれていない。
 なお、同理由で来年度から、領事館の草の根資金やJICAの無償貸与などに関しても、固定資産として扱われることになった。

膨れ上がるINSS罰金=福祉事業の強化が要か

 INSSの罰金は〇五年度の三百二十四万レに追徴金が加算され、四百五十一万レにまで膨れ上がっている。
 昨年五月にブラジリアの国家社会保障審議会(CNAS)に九四~九六年分の慈善団体登録が認められたが、INSSから異議申し立てをされている状態。
 これに対し、文協はコンサルタント会社を通して、係争する一方で、福祉団体としての運営方法を、定款・名称の変更、福祉事業の強化などで講じている。
 〇五年九月に、サンパウロ市社会福祉審議会(COMAS)に福祉団体としての認可を受けたことで、同十二月には社会福祉委員会を設立。
 昨年からリサイクル活動を開始、今年六月からは文協から半径一キロ以内に居住する貧困層の児童を対象に日本文化などを教えるプログラムを開始する。
 これらの活動で、総収入の二〇%を福祉事業に運用することが可能とみており、〇九年にCNASに申請する〇三~〇五年分が認められれば、九四年以降の課税に対して、有利となるとの見方をしている。
 収入に関して、〇五年の百九十二万九千レが二百万八千レになっているのは、昨年末に催された夕食会が影響している。
 支出は〇五年の二百七万四千レから二百十二万七千レと増加、経常収支は十四万四千レ(〇五年)より多少好転しているものの、十一万六千レと赤字状態が続いている。
 INSS問題は、文協の運営方法自体を見直さねばならないほど大きな問題となっているが、解決には時間がかかると見られる。
 現時点で問題なのは、会費約三十五万レ、文協ビルに事務所を構える各団体からの賃貸料十三万レしか固定収入がないこと。これらも問題に昨月発足した新執行部の手腕が問われそうだ。

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