ホーム | 日系社会ニュース | 老クで親しまれた=宇野シニア帰国へ=レクレーションのコツ伝授=自分が楽しむ中で=他の人と楽しみ共有できる=置きみやげはマニュアル本=各クでゲーム応用を期待

老クで親しまれた=宇野シニア帰国へ=レクレーションのコツ伝授=自分が楽しむ中で=他の人と楽しみ共有できる=置きみやげはマニュアル本=各クでゲーム応用を期待

2007年6月6日付け

 「元気が出る。若返る!」と、エネルギーあふれるレクレーション指導を行ってきた、老人クラブ連合会(重岡康人会長)所属の宇野妙子JICAシニアボランティア。二年間の任期中に、老ク連の支部やブラジル学校への巡回指導、イベントなどでの講演を行い、その回数は延べ百四回。今月末の帰国を前に最後のレクレーション講習会を、五月三十日、老ク連会館で行った。「私が帰ったあとも続けて欲しい」。宇野さんは、二年間の活動を振り返るとともに、各支部の代表に指導方法のアドバイス(助言)を行った。
 「レクレーションをすることで人とのふれあいを持つ。ストレスを発散して、笑顔が出る。心を開き合えば、毎日の暮らしぶりは明るくなるし、元気が出るし、若返る。楽しさを共有する時間を作れればいい」と宇野さん。
 老ク連にシニアボランティアが派遣されたのは、宇野さんが二人目。上原玲子事務局長は「最初は『そんな子供みたいなことできるか』って、(レクレーションに)参加しない人も多かった」と、ボランティア派遣前の状況を思い出し、「最近では慣れてきたのか『自分たちもこういうことをやるようになった』って納得してる。レクレーションはうけがいい。本部から先生が(支部に)来るのは、特別なことって楽しみにしてるみたい」と、シニアボランティアの活動を評価した。
 指の運動や、座ったままでもできる体操から、体全体を使ってのレクレーションまで、難易度もさまざま。音楽に合わせて歌い、ペアの人と談笑を交わす。
 講習会では、風船リレーや席入れ替えゲームなど、十六種類のレクレーションが紹介され、宇野さんの指導のもと、参加者らが実際にゲームに興じた。
 宇野さんは、レクレーションをするときのコツとして、「第一に自分が楽しむことが大切」だという。「自分が楽しむ中で、他の人とも楽しみを共有できる」。
 また、「参加していない人の理由を考えることも大事」。仲間はずれがでないように、無理強いでない声かけを心がける。
 そして、わからないところは手伝ってあげる。ただ、「できた」という喜びを感じてもらうためには、「最後のところは自分でやってもらうようにしています」。
 イタペチ万寿会を代表して講習を受けた檀宜則さん(68)は「帰ってから皆に指導するってことで来てます。今日は童心に帰った」。リベイロン・プレットから駆けつけた宮坂玲子さんは「皆はつらつとしててよかった。少しずつ例会でやっていきたいと思います」と笑顔を見せていた。
 上原事務局長は「宇野さんはプロ。マニュアル本は置いていってくれるけど、レクで喜んでもらうには、あの人柄がものをいう」と、ボランティアの存在の大きさを指摘するが、宇野さんは「楽しさを伝えることは同じ。できることにはその日の調子や個人差がある。それを見ながら、各クラブに合わせてゲームを応用してもらえたら」と、今後のレクレーションの普及に期待を寄せた。
 宇野さんは、今月半ばごろまで老ク連本部にいる。「皆オシャレで自分を楽しんでいる人ばかり」とブラジルでの印象を語り、帰国後には「ブラジルの老人の元気さと明るさを、(兵庫県)西宮の人に伝えたい」と話した。

image_print