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コラム 樹海

2007年8月18日付け

 ラニーニャはスペイン語で「可愛い女の子」だそうだが、これが発生すると日本は暑くなる。ペル―で強い東風が吹くと暖かい海水が赤道に沿って太平洋の真中まで流れ、インドネシアは雨が多く、日本列島は炎暑に見舞われ汗また汗の真夏日が続く。16日に岐阜県の多治見と埼玉県の熊谷が40・9度になり過去最高の気温になったのも、ラニーニャのためである▼なにしろ74年ぶりの記録更新であり、みんなが驚きびっくり仰天した。古くから美濃焼で知られる多治見の人々も、余りの暑さに悲鳴を上げ「空気がお湯のよう」と吹きだす汗を拭い取るのに一所懸命。寒暖計の上昇もだが、日本の暑さで参るのは湿気が多いためことさらに堪える。これまでの最高記録を誇った山形市も、1933年の40・8度には気息奄奄で白旗を掲げ「降参」したのではないか▼尤も―この程度の暑さで驚いてはいけない。世界は広い。あのゴタゴタ騒ぎのイラクの熱気は凄く、呆れるほどに気温が高い。1921年にあの国の水銀温度計は上昇を続け上るも上ったり58・8度にもなった。この記録は今もって破られてはいないし、こうなると酷暑の域を超してしまうのではないか。50度を越えると電線に止った鳥もあまりの暑さで死を迎えるそうだし、イラクの人々も熱中症で痛めつけられたに違いない▼寒さにしても旭川のマイナス41・5度が日本最低だけれども、旧ソ連のボスト―ク基地では零下89・2度である。こうなると―立チションをしようものなら臍の下から地面までの見事な芸術作品の「氷柱」が完成する。  (遯)

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