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〝日本移民ゆかりの地〟に投資=リベイラ=サンパウロ州政府が2.2億レアル=地域開発、技術学校設置へ=百周年記念事業にも

ニッケイ新聞 2007年10月25日付け

 ジョゼ・セーラ・サンパウロ州知事が今月五日、サンパウロ州リベイラ沿岸地域を視察に訪れ、同地域の二十三市に対して二億二千万レアルの投資を決定した。地域内にある百四十三キロの道の舗装、病院施設の改善、救急車購入、住居建築、運河建設などの開発費用として投資されるもの。一部はレジストロで計画されている日本移民百周年の記念事業に充てられることが決まっている。「日本移民ゆかりの地」レジストロをはじめ日系社会と関わりの深いリベイラ地域。州内でも開発の遅れていた同地域への大型投資に、地元関係者も喜んでいる。
 今回の州政府による投資は、飯星ワルテル、アルナルド・マデイラ両連邦下議、前レジストロ市長のサムエル・モレイラ・ダ・シルヴァ・ジュニオールサンパウロ州州議など関係者の尽力により実現した。
 リベイラ地域に居住する四十八万人の生活レベル向上と地域開発を目的としたもので、約五万五千人が居住するレジストロ市には、うち五千万レアルが配分される。知事は、今後半年以内に予定表を作成するよう指示している。
 セーラ知事は「リベイラ地域住民の生活レベルはだんだん良くなっている。しかし、この投資によってさらに良くなるだろう」と語った。また、「サンパウロ州の各地域にこのような事業をしていかなければならない。リベイラは州内で幼児の死亡率が一番高い。しかし、この割合は医者の努力によって低下してきている」とし、「今回の投資はリベイラにさらなる経済発展を与える事業になるだろう。家庭や企業にとってはさらなる利益になるはずだ」と付け加えた。
 投資総額のうち、域内の道路舗装には約六千八百四十万レアルが充てられ、八つの道の補修と二つの舗装を行う。
 福祉医療の面では、レジストロ市に特別巡回診療所(AME)を設置。これにより全ての地域の病人はその日に相談、診療を行うことができるようになる。
 また、教育面では五十万レアルの投資をしてレジストロに技術専門学校(Escola Tecnica)を導入。また、同地域の百七十四校ある学校のために印刷機やテレビ、備品や千八百台のパソコンなどを購入し、情報処理の新しいクラスをつくる。
 政府から支援の内の十一万レアルはレジストロにある百周年記念モニュメント制作のほか、レジストロ移民資料館の修復費用に充てられることが決まっている。来年六月にイナウグラソンを行う考えだ。
 聖南西・リベイラ地域日本移民百周年実行委員会の山村敏明実行委員長(リベイラ沿岸日系団体連合会長)は、前市長のサムエル・モレイラ州議のおかげで今回の投資が決定したと感謝を表しつつ、「来年の百周年でさらに横の繋がりを強めていきたい」と抱負を語った。