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県連ふるさと巡り=日伯の絆たどる旅=ES・ミナス路を行く=連載《7》=ウジミナス社を訪問=最先端の製鉄技術に関心

ニッケイ新聞 2007年10月25日付け

 五日目は、ミナス・ジェライス州に大きく貢献している日系企業、ウジミナス社を訪問した。イパチンガ日伯文化協会の金兼文典会長が通訳として働いているために、同社を案内してくれた。
 まずは、能力開発センターでパワーポイントとビデオを使用して、ウジミナス社の簡単な説明が行われた。建設前のイパチンガの街並みや同社が始まった時の写真など貴重なものばかりだった。また、どのような行程で鉄の精製などを行っているかといった説明も行われた。
 日伯のナショナルプロジェクトとして一九六二年に創設されたウジミナス社は、初代から三代目までは日本人が社長を務めたが、四代目から現在の十三代目まではブラジル人が務めている。現在でも社員一万二千人に対して十四人の日本人が工場で通訳等として働いている。工場内には約三百万本の植樹を行っていて、環境にも配慮しながら発展に貢献している。
 一通りの説明を受けた一行はバスへと乗り込んで、実際に鉄の精製を行っている工場へ。工場は町の反対にあるため、ついでに同市内も観光も行った。
 イパチンガ市内には二つの大きな病院がある。この病院は同社が出資して作ったもので、はじめにできた病院だけでは全ての患者を診ることができないので、二つ目の病院も同社によって建てられている。まさに、日本企業とともに発展してきた町ということを、改めて実感させられた。
 簡単な市内観光も終り、いよいよ工場内に入って行った。以前に訪れたツバロン製鉄所と、設置している設備等には大きな違いが見られなかったため、機械や設備に対して興味を示す人は少ない様子。
 しかし、今回は実際に鉄を薄くする作業場を見学することができた。千二百度を超える鉄の精製場所では、数十センチもあるような厚い鉄を何度も削りながら三・三ミリになるまで作業(熱延)を行っていた。また、水で鉄を精製していく作業は冷延という。二十メートルほど離れた場所からでも熱さが十二分に伝わってきた。一行は「こんなに遠いはずなのになんて暑いんだ」と、手で扇ぎながら話していた。
 続いて、薄くした鉄を丸くしていく行程を見学。大きな機械を通して大きな丸にしていく場所を一緒になって歩いて行き、実際の工程を自分達の目でじっくり確かめていく。約一キロほどもあろうかという長い機械と平行に歩いて足早に見学を終えた。一行の中には、実際に薄くなっている鉄を何重にも重ね、二メートル以上にもなった鉄の塊を直に触って感触を確かめる人もいた。
 今回の見学のガイドを務めてくれたのは、同社で通訳の仕事をしている桜丘実さん。桜丘さんは「今度見学に来る時は一週間ぐらい時間をとってきてくださいね」と話していた。
 まだまだ見学したいという気持ちを持ちながらも、一行を乗せたバスは次の見学地セニブラ社へと向かっていった。(つづく、坂上貴信記者)



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