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県連ふるさと巡り=日伯の絆たどる旅=ミナス・ES路を行く=《連載6》=イパチンガ=日系企業と育った町=百周年で日本庭園も計画

ニッケイ新聞 2007年10月24日付け

 イパチンガ日伯文化協会(金兼文典会長)の会館が改装中のため、交流会は山九㈱が所有するクラブ「Clube Dr.Kozo Nakamura」で行われ、同協会、地元の日系企業関係者など約六十人が集まった。
 同協会の会員は現在五十一家族(非日系四家族)。最盛期で百二十家族いた経緯を踏まえると半分以下に落ち込んでいる。ウジミナス社で日本人が駐在で来なくなったから激減した、と関係者は話す。
 現在の交流はヴィトリアやベロ・オリゾンテなどを中心に行っているが、距離も遠いため大きなイベント等がないとなかなか行くことができないという。なかなか交流が行えない現状を嘆いていた。
 同協会では来年の日本移民百周年を記念して、現在会館の改装工事を行っている。鉄鋼等の材料はウジミナス社が支援している。
 来年六月中旬の完成を予定。同時に日本文化週間を開催して日本文化の継承・紹介を行う計画だ。
 さらには、会館内に日本庭園も創る案もある。その他にはヴィトリアをはじめとした近くの地域とソフトボールなどのスポーツ大会を行うことも計画しているという。
 交流会でははじめに、先亡者に対して黙祷。その後、現在も通訳としてウジミナス社に勤める金兼会長は、イパチンガが日本の企業によって発展したことに触れ、「この地での日本企業の影響を感じてください」と挨拶した。続いて、長友契蔵団長が挨拶。セニブラ社の彌富俊治代表取締役は「この訪問の機会に日本の会社が頑張っているのを是非見てください」と一行を歓迎した。
 長友団長の乾杯の音頭で交流会は始まった。ビュッフェ式の料理に一行や関係者が一斉に集まり楽しい時間を過ごした。
 ふるさと巡り参加者の江藤征支さん(福岡県)は以前ウジミナスで働いており、金兼会長との再会を喜び合った。江藤さんは「一緒に働いたことはないけど、働いていたのは知っていたから懐かしいですね」と当時に思いを馳せながら話した。
 九月三十日のこの日は参加者の多川富貴子さん(三重県)が、七十一歳の誕生日を迎えた。司会を務めた金兼会長が「この中に今日は誕生日の人がいます」と紹介。約百四十人でパラベンスの大合唱を行った。
 多川さんは「まさかこんなところで大勢の人たちに祝ってもらうなんて」と嬉し涙を浮かべながら喜びを表していた。金兼さんは「リストを見たら今日は誕生日の人を見つけたので、是非祝ってあげたいと思って」と照れながら話した。
 その後の交流会では、カラオケなどで盛り上がり、一行は楽しい一時を過ごした。最後には恒例の「ふるさと」を伊東信比古さんの指揮のもと大合唱、盛況の内に幕を閉じた。(つづく、坂上貴信記者)



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