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わくわく参加校交流=聖南西でお話学習発表=まるで日本語の祭り=作品展示、出し物も多彩

ニッケイ新聞 2007年11月13日付け

 聖南西教育研究会(渡辺久洋会長)主催の聖南西お話学習発表会が、去る十月二十三日、イビウーナ文化体育協会会館で行われた。単なる発表会でなく、作品展示や出し物の〃上演〃もあって、日本語のお祭りの雰囲気。参加九校は、生徒、教師、父兄ともに融けあい、親睦の実を挙げた。
 午前九時から開会式。福寿保宏イビウーナ文協会長、高野信喜聖南西文化体育連盟教育部長が挨拶。
 渡辺会長は「きょうは、お話や出し物の発表のほか、会場にはそれぞれの学校の絵や工作や掲示物などが展示されていて賑やかな日本語の祭りのように感じる。この祭りでどんなものが見られるのかわくわくしている。みんなも今日一日わくわくしながら、発表したり、それを見たりして楽しんで下さい」と期待を寄せた。会長の言葉どおり、会場には絵や毛筆や工作や掲示物など各学校の生徒の作品が展示された。
 午前はイビウーナ、ピエダーデ、ソロカバ、ピラール・ド・スール、コロニア・ピニャール、サンミゲル・アルカンジョ、イタペチニンガ、カッポン・ボニート、グァピアラの九つの日本語学校から選ばれた代表三十二人がお話の発表を行った。代表者は年齢も日本語能力も様々。詩的な題材の発表では会場は静まり返って聞き入り、また笑い話の時には父兄や生徒から笑い声が上がった。
 「温暖化」や「会館の六十周年」といった発表もあり、ピラール・ド・スール日本語学校の森岡さおりさん(14)の「ブラジル、日本移民の百周年」では、これまでの日本移民の歴史に対する感謝の気持ちや今後への思いを発表し、「みんなで来年の日本移民百周年を盛り上げましょう!」と元気よく締めくくると、会場からは一際大きい拍手が起こった。
 午後、始めにイビウーナの太鼓部「龍舞太鼓」の特別発表が行われた。チームは、今年全伯太鼓大会で優勝し、来年三月、日本の大会に出場することになっており、イビウーナだけでなく聖南西地区みんなに応援してほしいとの願いもあり、優勝した曲の発表を行った。
 引き続き出し物の部に移り、十四の発表があった。ピラール・ド・スールやピエダーデのYOSAKOIソーランや、コロニア・ピニャールの全生徒参加の劇、グァピアラの笛の演奏、ソロカバの獅子舞やイタペチニンガの踊り、イビウーナやピラール・ド・スールのコントなど様々な内容、飽きることなく二時間半が過ぎていった。
 最後は全教師による「早口言葉」を用いた出し物。一生懸命やっても上手に言えない教師の姿に、普段見られない教師の様子を見て子供たちは大喜び。学校の違いを問わず、地区の生徒、教師全体が一つなって楽しんでいるのが感じられた。
 閉会式では、お話の代表者の表彰、続いて八月に行われた聖南西作文コンクールの学校代表者の表彰式が行われ、賞状と記念品が贈られた。式終了後には、その作文コンクールの全作品を掲載した作文集「みらい」が各学校に配布された。
 式後も会場では他校の生徒と話をしたり、イビウーナの生徒と共に後片付けを手伝ったりする姿が見られ、学校の枠を超えた交流の広がりを感じさせた。
 学校代表者として発表した南なぎささん(13)が「昔やっていたお話大会の時よりも緊張が少なく、色んな学校の出し物が見られてとても楽しかった」と語った。

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