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補聴器で快適な生活を=格好よりも聞こえることが重要

ニッケイ新聞 2007年11月13日付け

 「日本人は自分から進んで補聴器をつけたがらない」と懸念の表情を浮かべるのは、難聴者向けに補聴器を扱っているライソン社の千葉マルタ副社長。耳が聞こえるより、見た目を気にする日本人のほうが圧倒的に多い、と指摘する。千葉さんは「少しでも補聴器のことを知って、多くの人が喜んでもらえれば」と期待を込めて話している。 今年で開店十四年目を迎える同社は従業員十八人。日本語のアテンドができる本社パライゾでは、一日に五人ぐらいの日系人や日本人が、同社を訪れている。
 そもそも耳が悪くなるということは、年齢とともに鼓膜の働きが悪くなってきていることが原因。補聴器をつけることによって、鼓膜を刺激的に動かすことができ、よく聞こえるようになる。補聴器を付けることによって、耳が悪くなることはないが、必ず良くなることもない。本体自体にマイクが取り付けられていて、そのマイクが周囲の音を拾う役割をしている。
 補聴器の価格は千五百レアルから一万レアルと大きさや用途によって様々。人間の耳の大きさや形は人それぞれのため、その人に合った補聴器を作るようにしている。サイズが小さいのは少々耳が聞こえにくい人に対してで、大きいのはほとんど聞こえない人に対して用いられる。耳の中にいれる小さい方より外に付ける大きいほうが長持ちする。
 補聴器のトーンの違いは、自分自身で調節するのではなく、会社まで足を運んでもらって担当者に頼む方がよりよい。また、ボリュームは自分で調節することが可能だ。最近では電話でも問題なく聞き取れる補聴器の開発が進んでいる。
 大きさによって違うが、電池の交換は一週間から三十日の間。使用するのはボタン電池。湿気を取るために、就寝の際は必ず外すようにしておくこと、と注意を促した。中の精密機械は違うところで制作しているが、外側の機械はブラジル国内で作っている。
 外した補聴器を、放置しておくと、犬など動物が持っていく可能性があるため注意を促している。
 日本人は自分から補聴器を買ったり、使用したりするのを躊躇う傾向が強い。そのため子ども孫、関係者がプレゼントすることがほとんどだ。
 千葉副社長は「低金利でローンを組むことも可能だし、聴解のことで悩んでいる人はなるべく早く」と呼びかけている。

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