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上原氏訪日「盛り上がり感じた」=宮内庁にコロニアの喜び伝える

ニッケイ新聞 2007年11月24日付け

 「あくまで表敬訪問です」―。日伯交流年スタートまで二カ月に迫った十月二十八日、上原幸啓ブラジル日本移民百周年記念協会理事長は「崇教真光」の招待を受けて訪日した。教団の総本山がある岐阜・高山市を始め東京、大阪、沖縄を訪問して十二日に帰国。同行した渡部和夫同協会顧問は十九日に帰国した。
 到着当日の二十九日に宮内庁を訪れ、式部官長と約三十分面談、「ブラジル国民、コロニアが皇太子さまの来伯を心待ちにしています」と伝え、百周年協会のことや進捗状況を伝えたという。皇太子殿下の訪問先などに関する言及はなかったようだ。
 日伯中央協会(清水慎次郎会長)との昼食会では、「日伯交流年認定事業」で造形作家の絹谷幸太氏が手掛ける記念モニュメント「石の彫刻群」に関する調整が行なわれた。渡部顧問はこの件に関し、二十九日、駐日ブラジル大使館も訪問している。
 外務省の三輪昭中南米局長とも面談、「一般の話をした」(上原理事長)。
 三十日には在日ブラジル商業会議所(CCBJ)で、外務省が日伯交流年を記念して製作している広報番組「未来への熱い絆」の取材。撮影後にJICAを、三十一日に国際交流基金、海外日系人協会を訪れた。
 サンパウロ総合大学と学術交流協定を結んでおり、上原氏が名誉博士となっている大阪市立大学に立ち寄った後、今月一日から四日間、岐阜県高山市にある崇教真光総本山を訪れ、教団施設などを見学、三日の秋季大祭に出席した。「世界中から色んな来賓が来ていました。素晴らしい場所でした」と感想を話す。
 その後、故郷の沖縄へ行き、七日に琉球新報、沖縄タイムスの取材。翁長雄志那覇市長、仲里利信県会議長と会談後、夜には沖縄ブラジル協会の歓迎会に出席した。翌八日の仲井眞弘多県知事との会談はNHKのニュースで流れたという。今年六月までサンパウロ市に駐在していた中島昇さん(現NHK沖縄放送局ニュースデスク)とも再会したようだ。
 大型訪伯団が予定されている来年八月の沖縄県人ブラジル移住百周年式典に関する沖縄側の声などに関しては、「そういう話は出なかった」。
 訪問各地でブラジル政府の動きやサンパウロ州教育局の「VIVA・JAPAO」に関して、積極的に紹介したことを話した。
 九日には東京でIPCグループの村永レオナルド代表らと会合したほか、元駐在員ら〃ブラキチ〃で構成される「サンパウロクラブ」の歓迎会にも出席し、「できるだけ協力したい」と会員から百周年に対する支援を受けたという。
 上原理事長は、「行く必要があるのか」という批判が内外からあったことを明かしながらも、昨年同様、今回の訪日の趣旨を〃表敬訪問〃と何度も強調した。
 「日本側での盛り上がりを強く感じ、(百周年に対する)関心が強くなっていることが分かった」と意義を改めて述べた。

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