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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2007年12月11日付け

 東京の山手線や地下鉄では、マンガに読み耽る学生がやたらと多いそうだ。あれは確かに面白い。けれども、電車の中にまで持ち込んで「読書」することもあるまいに―。だが、日本の漫画人気は世界的なものらしく、フランスは花の都・パリでもファンが目を皿のようにして熱中している。それも―学生の街・カルチェエ・ラタンのダンテ通りにはマンガ専門の本屋が軒を並べているという。それも10数軒もが―▼勿論、フランス語に翻訳されたものであり、本棚には「太陽の黙示録」や「ドラゴンボ―ル」など4000冊超がびっしりと詰まり、老いも若きもじっと見つめている。日本でも人気の「名探偵コナン」の愛読者もいっぱい。どうやら「スト―リ―」と「絶妙なコマつなぎ」が、フランス人の心に響き共鳴するらしいのである▼「漫画は」仏語で「バンド・デシネ」だそうだが、看板には「MANGA」の文字を掲げて堂々たる商売ぶりが嬉しい。我がブラジルにも、日本マンガは売れ筋で若い人たちが熱心だと耳にした。「はだしのケン」や「バガボンド」などのブラジル語に翻訳された漫画が好まれているらしい▼そういえば、「太陽堂」や「竹内書店」など日系の書店にもブラジル人が多い。若い人の目当ては「マンガ」らしいのだが、印刷が奇麗な雑誌に目を輝かせるご婦人もいるし、日系の本屋さんもちょっと明るくなった気がする。仏のマンガ人気には遠いが、近いうちにサンパウロ市にもマンガ専門店が誕生するかも。筆者も若い頃は、小さな和食の店でマンガの雑誌を見るのが楽しみだった。「ゴルゴ13」や忍者の「カムイ伝」も懐かしい。(遯)

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