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サンジョゼでも百周年記念事業=日伯の融合表す記念庭園=高さ16メートルの大鳥居も

ニッケイ新聞 2007年12月12日付け

 ヅットラ街道の日系集団地、サンジョゼ・ドス・カンポスで百周年に向けた記念事業計画が進んでいる。日伯文化の融合を表す公園に、高さ十六メートルの鋼鉄製の鳥居を設置するもので、同地の日本移民百周年準備協会(Associacao Pro-comemoracao de Centenario em Sao Jose dos Campos、曽我部道治会長、二世)が実施する。落成式は来年六月を予定。同協会では年明けから、一人十レアルの寄付を募っていく考えだ。
 GM、エンブラエル、ペトロブラスのほか、日系でもパナソニック、日立、KDB(カネボウから独立)など大手企業が工場を置くサンジョゼ市。航空技術センター(CTA)や、ITA(航空技術大学)など多くの大学を持つ学術研究都市でもある。それにふさわしく、記念事業の公園は、ヅットラ街道沿いにある市の技術センター敷地内に造成される。
 市が提供する広さ二万平方メートルの敷地に、二つの池を設置。高い方の池の周りに桜や松など日本の樹木を植えて日本庭園風に整備、低い方の池にブラジルの樹木を植え、池を水路でつなぐ。
 水路は第一回移民船「笠戸丸」をイメージしたもの。日本移民がブラジルに渡り、両国の文化が融合していった様子を表す。
 池の間に設置される大鳥居は、高さ十六メートル、幅十四メートル。表面加工を施した圧延鋼を使用するため、塗装の必要がないという。
 公園、鳥居の建設予算は約百万レアル。企業、一般からの支援に加え、同協会で一人十レアルの寄付を募っていく考えだ。
 設計にあたったのは、市企画局のシルビア・クリスチーナ・ボルジェスさんと、ジェネル・カルドーゾさんの二人。庭園の設計を担当したシルビアさんは、日本の伝統に近代的な要素を取り入れたとコンセプトを説明する。公園造成にあたっては、JICAシニアの川下晃造園師ら日本の専門家にも指導を受ける。
 記念事業の話が出たのは約二年前。「何か記念のものをサンジョゼに残そう」と曽我部会長ら有志が発案して、地元文協にプロジェクトを呼びかけた。祝典の開催、文化センター建設など多くの提案の中から、鳥居と記念公園の建設が選ばれた。「フェスタは、やったら終わり。二十年、五十年後に、サンジョゼに日系の文化があることを残したい」と、曽我部会長は建設への思いを語った。

5百人集い忘年会=来年から奉加帳開始

 今月六日には市内のクルーベ・サンタ・リッタで、サンジョゼ文協(渡辺俊康会長)主催の第十三回忘年会が開かれた。百周年の前夜祭とも言える同イベントには、エドゥアルド・クリ市長ほか市、企業関係者なども多数出席。合計五百人以上が訪れ、食事を囲み歓談した。
 当日はプロジェクターで日本移民百年の歩みなども紹介。曽我部会長は、「未来の子供たちに、日本とブラジル文化の融合をみせたい」と記念事業の意義を強調、あわせて来年から十レアル寄付の奉加帳を開始することを明らかにした。

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