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小野連邦労裁判事を祝う=日系の若い世代の励みに

ニッケイ新聞 2007年12月13日付け

 【既報関連】連邦労働裁判所判事に今年七月任命された小野英三フェルナンド氏(58、二世、パラナ州アサイ出身)の祝賀会が、十日午後七時半から、文協貴賓室で開かれ、日系団体の代表者など約七十人が駆けつけた。日系人の法曹界重職への就任は、昨年五月に連邦高裁判事に就任した上田雅三氏に続き二人目。連邦労裁の役職就任は日系人では初めての快挙。祝賀会場で小野氏は「今回の任命は日系社会のみなさまからの協力で頂いたものです」と喜びの声を述べた。
 小野判事はパラナ州ロンドリーナ市役所に勤めるかたわら同州立大学法学部を卒業。同市役所での勤務を経て一九八〇年、第九地方労働裁判事となった。
 サンタカタリーナ州フロリアノポリス、コンコルヂア、パラナ州ウニアン・ダ・ヴィトリア、グアラプアヴァ、ポンタ・グロッサ、コルネリオ・プロコピオ、マリンガ、アプカラナ、ロンドリーナで勤務。ロンドリーナ、コ・プロコピオ各支所で和解調停委員長を務め、九九年、第九地裁監督官に就任した。
 〇一年から同裁判所副長官、〇三年から〇五年まで長官を務め、〇三年に決まった判事増員(二十一人から二十七人)に伴い、補充される三人の一人(三人は空席)として、連邦労働高裁判事に任命された。
 祝賀会ではウイリアム・ウー、ワルテル・イイホシ両連邦下議、上原啓幸文協会長、渡部和夫文協評議員会会長、丸橋次郎聖総領事館首席領事が出席者を代表して祝辞を述べ、小野氏の活躍を称えた。
 小野氏は祝賀会後のカクテルパーティの場で「最高位の要職に就いたことでとても責任を感じる。今後も今まで通りしっかりと仕事をしていきたい」と力強く話した。
 元中央高等法院判事でもある渡部氏は、小野氏の同職就任について、「裁判所では人種を問わず能力を積極的に認めてくれるところで、日系にもまだまだ活躍する可能性がある」と強調。小野氏の活躍が「今後の日系の若い世代に大きな励みになるでしょう」と笑顔で話していた。

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