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交番プロジェクト終了間近=関係者が状況調査で来伯=「昨年よりレベル上がった」

ニッケイ新聞 2007年12月25日付け

 JICA(国際協力機構)とサンパウロ州軍警が協力して行っているブラジル地域警察活動プロジェクト。最初の導入から、来年三月はじめの期間満了に近づき始めた。昨年同時期にも行った進捗状況・定着度合いの調査のため、警察庁長官官房国際課国際協力・交流担当の出宮良平さん、JICA東京業務第二グループガバナンスチームの井本佐知子さん、グローバルリンクマネージメント社の古谷典子さんらがそれぞれ来伯した。
 〇五年にインドネシアで一年間研修を行った出宮さんは、昨年の調査での来伯に続き四度目になる。今回はカサブランカやロータリーなどのモデル交番を訪れ、ベレン交番で五カ所目に。
 井本さんは昨年の中間評価で一度訪れた経験があり、今回の来伯で二度目。
 古谷さんは三度目の来伯で、以前には群馬の森やペルナンブッコ大学などのコンサルタントとして来伯した。サンパウロ州を訪れるのは初めてのことだ。
 一行は七日、最初のモデル交番としてプロジェクト初年度に導入された八パイロット交番の一つ、ベレン交番(Largo Sao Jose do Belem)を訪問。交番長を務めるブリテス隊長ら十人ほどの出迎えを受けた。
 ブリテス隊長は昨年二週間ほど日本へ研修に訪れている。参加者は隊長に、現在の状況、交番の進捗状況、書類問題、巡回方法などについてなど、事細かに調査して約二時間近く滞在した。
 今回の調査を終えて、出宮さんは「まだまだ各交番でばらつきがある。だけど、細かい調査はしていなが、昨年と比べて数段レベルが上がっていることは間違いない」と進捗度合いを満足げに話した。「距離の問題もあってなかなか難しいが、これからも協力していきたい」との意向を示した。
 井本さんは「自分達が誇りを持って、キビキビしている。日本で学んだことを日々の業務に生かして欲しい」と期待を込めた。古谷さんは「日本で想像していたより、色々なプロジェクトが活動している」と驚いた様子だった。
 石井孝長期専門家は「頂上は同じだが、登り方はそれぞれ。日本式のヒントを得て未来に繋げていってほしい」とエールを送った。

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