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アマゾン移民の貴重な写真=史料館=拓殖学校校舎、高拓生など31点=上塚司の孫芳郎氏が寄贈

ニッケイ新聞 2007年12月27日付け

 アマゾンへの日本人移民導入に尽力した上塚司が所有していたアマゾニア産業研究所関連の写真データ三十一点が所有者で孫の芳郎さんから、先月二十一日、ブラジル日本移民史料館に寄贈された。ヴィラ・アマゾニア測候所、拓殖学校校舎、アマゾニア産業研究所実業練習生、ジュート収穫の写真などに詳細な説明が加えられているものだ。同史料館に勤務する国際協力機構(JICA)の小笠原公衛シニアボランティアは、「(寄贈写真は)人物特定や背景などの説明もされており、非常に資料としてしっかりしたもの。日本側の施設写真は初めて」と話している。
 上塚司(一八九〇~一九七八)は、国士舘高等拓殖学校を三〇年に設立(後に日本高等拓殖学校を設立)。同年、アマゾンを視察後、翌年から同校卒業生を実業練習生として、新天地に送り込む。ヴィラ・アマゾニアで一年間の実地訓練を終了したものが、「高拓生」と称された。
 三二年、日本に財団法人「アマゾニア産業研究所」、三五年に「アマゾニア産業株式会社」を設立。
 翌年には、「アマゾニア産業」(ブラジル側)の社長に就任し、ジュート栽培に取り組む。戦後アマゾン日本人移民の再開に辻小太郎とともに尽力するなど、その一生をアマゾン開拓の夢に費やした。
 寄贈したのは上塚司の孫にあたる芳郎氏。昨年十月にアマゾナス州パリンチンス郡ヴィラ・アマゾニア区の市立ツカサ・ウエツカ学校で行なわれた高拓生入植七十五周年式典にも出席、通算五回、ブラジルを訪問している。

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