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サンパウロ州・富山県=児童の絵画作品を両国で=友好提携文化交流に拍車=絵画を相互出品、展示へ=「もったいない」テーマに

ニッケイ新聞 2012年6月15日付け

 サンパウロ州教育局が11月に開く『第1回国際芸術文化展示会』(I Mostra Internacional de Cultura de Arte)に富山県の児童らの作品を受け入れることが決まった。ブラジル人子弟が多い高岡市立野村小学校が「私の知っているブラジル」をテーマに絵画作品を出品する。サンパウロ州と富山県は85年に友好提携協定を結んでおり、同県が毎年開催する『子どもフェスティバル』には2007年から参加していることから、相互交流が始まった格好だ。

 富山県とサンパウロ州は、海外技術研修員や留学生の受入れ、日本語教師や南米親善訪問団の派遣など交流活動を続けている。
 同フェスティバルには、日本文化をテーマに州内学校の生徒らが描いた絵画作品を出品しており、昨年の参加校数は約50校。各校が2作品を応募するなかから、15点が選ばれ、同県に送付される。昨年から富山県人会会員も審査に参加している。
 マリア・サーレス事業責任者は「州内91地方教育局に招待状を送付した。参加校は増加傾向にある」と反響を伝える。
 教育局では、毎年日本文化に関連したテーマを設定。今年は「もったいない」。ブラジル人児童が大半だが、「テーマに関連したビデオや読み物などの教材を使って授業で理解を深めるので、生徒たちはとても意欲的に取り組む」とマリア・クリスチーナ・ノゲロル事業担当は話す。同県人会の市川利雄会長を始め、日本・日系人6人が自身の体験を元に「もったいない」を説明した映像が準備されている。
 野村小学校では先月派遣されたブラジル人教師が連絡役を務める。今年は初年度とあり同校のみの参加だが、今後は参加校数を増やしたい考えだ。日本の子供たちに、イメージが沸くようブラジルの人種的多様性をテーマにした映像も制作中だという。
 姉妹提携を結ぶ三重県にも参加を呼びかけており、元教育局勤務のコーディネーターの日野寛幸さんは「これをモデルに、他日系団体もブラジルの教育に尽くす何かを始めてもらえれば」と願いを話していた。
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 「こどもフェスティバル」は毎年秋に開催され、今年35回目を迎える。児童画、書、写真など展示、演劇、音楽、舞踊など演示の2部門で開催されている。県、県芸術文化協会、富山新聞社が共催。友好提携を結ぶ中国、アメリカ、ロシアなど海外諸国も参加する。

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