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裏千家ブラジル=300人が初釜で新年祝う=百周年記念本の出版も予定

ニッケイ新聞 2008年1月17日付け

 茶道裏千家ブラジルセンター(林宗慶代表、二百会員)の初釜、新年会が十三日、「シーザーパークホテル ファリア・リマ」で開かれ、約三百人を超える出席者が新年を祝った。ブラジル日本移民百周年記念支援事業。
 同センターは、サンパウロ市制四百年祭があった一九五四年に建設されたイビラプエラ公園内の日本館にある茶室開きに若宗匠、千宗興氏(裏千家十五代、現在は宗室)が来伯。それから気運が高まり同年、文協初代会長だった山本喜誉司氏を初代会長に、ブラジル支部が発足、現在に到っている。
 入り口には、同センター副会長のエジソン・トンプソン・デ・リマさんによる生け花のデコレーションが百周年と新年を寿ぐ華やかな雰囲気を演出。艶やかな着物姿で会場を訪れた出席者らは、茶席で薄茶を楽しんだ。
 会場を移して行なわれた新年会では、お屠蘇や雑煮、おせちもテーブルに並んだ。
 林代表、西林万寿夫在聖総領事、上原幸啓文協会長らがそれぞれあいさつ。鏡割りの後、森口イナシオ援協会長が乾杯の音頭を取った。
 丹下セツ子さん、花柳龍千多さんらが華麗な踊りを披露、抽選で著名日系画家の絵画などが送られるくじ引きは、番号が読み上げられるたび、あちこちのテーブルで歓声が上がっていた。
 ブラジルで指導して今年で三十年を迎える林代表は、「百周年ということもあり、例年より多くの方を招待した」と話し、同センターから、九月に刊行が予定されている『魅力的な日本文化―茶と花展より』にも触れ、「日本文化を紹介する機会になれば」と今後の活動にも意欲を見せていた。
 毎年初釜を訪れるという故間部学画伯の未亡人よしのさんは、おせち料理などを楽しみながら、「(茶道を通して)日本の精神がブラジルに繋がっていけばいいですね」と笑顔を見せていた。

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