ニッケイ新聞 2008年2月5日付け
スカッとした!!――。福岡県人会の会長職を辞めた松尾治前会長は、安堵の表情を浮かべながら話した。三日に行われた定期総会および臨時総会の場で役員改選が行われ、第二副会長を務めていた南アゴスチーニョ敏男さん(53、三世、パラナ州アサイ)が満場一致で選ばれた。この結果、松尾前会長は三月末に行われる県連の総会まで県連の会長を続けるが、その後は百周年に専念するかたちになった。南新会長は就任あいさつで「県人会は親睦団体というのを忘れてはならない」と力強く語った。
同県人会の臨時総会および定期総会は、三日午前十時から大阪なにわ会館で行われた。カーニバル真っ最中にも関わらず、クリチーバ、バウルー、インダイアトゥーバ、サンミゲール・パウリスタなどから九十七人が駆けつけた。
開会後、定款の一部改正が審議された。会員の位置付けの変更、顧問は元会長(理事会の承認が必要)、シャッパ提出期限は現行の当日までから五日前までに変更、理事会メンバーの増員などが提唱され、その場で承認された。
〇七年度事業・収支報告および、〇八年度事業予算案の説明が行われ、その場で承認。〇七年まで会費が四十レアルだったのが、五十レアルに引き上げられた。同県人会の八十歳以上の会員四十三人に対して母県から記念品が送られた。また、〇八年度県費留学生四人が紹介され、各自抱負を語った。
役員改選では、提出されたシャッパが一つだったため、満場一致で南新会長が選ばれた。
南新会長はパラナ出身。一九八〇年に県費留学生として九州大学で一年間勉強し、八一年には研修生として福岡にあった三井アルミ社で一年間研修を行った。帰国後は竹中工務店に勤めていたが、現在は自身の建築会社を経営している。
「会長になったばかりだからまだ抱負は固まっていないです」と照れ笑いを浮かべながら、「県人会は親睦団体として、日伯交流を忘れてはいけないし、会活動を増やしていきたい」と決意を表した。「百周年も大事だが、二〇一〇年には県人会創立八十周年に世界大会もあるから今から準備を進めていきたい」と先を見据えた意向を示した。
今回で県人会の会長職を退くことになった松尾前会長は「県人会会長を辞めてスカッとしたよ」と弾んだ声、「これで百周年に集中できる」と笑みを浮かべた。
新役員は以下の通り。
会長=南アゴスチーニョ敏男、第一副会長=平山イナシオ秀夫、第二副会長=田中公、第三副会長=丸林茂樹、第四副会長=古賀正倫、第五副会長=福ミルトン、第一会計=池田勝義、第二会計=西木戸エジソン幸治、第一書記=梶本茂雄、第書記=浅原セーリア由美子、正監査=小坪満、篠崎永滋、栗木英雄(敬称略)。