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改選は与儀シャッパの信任に=県連選挙=初の2世会長誕生へ=中沢氏訪れ〝敗北宣言〟

ニッケイ新聞 2008年3月18日付け

 初の二世会長誕生へ――。二十七日の定期総会で行われるブラジル日本都道府県人会連合会の執行部選挙で、十七日午後、現執行部から与儀昭雄氏(県連副会長、沖縄県人会長)を会長候補とするシャッパ(候補者連記名簿)が選挙管理委員会に提出され、受理された。その後の記者会見で与儀氏は「みんな一緒になって県連を盛り上げていきたい」と目標を語った。立候補宣言し、シャッパ作りを進めていた宮城県人会の中沢宏一会長は記者会見中に姿を表し、「力及ばずシャッパを組めなかった」と敗北宣言。「これからは県連に協力していきたい」と話し、与儀氏と固い握手を交わし、協力しあっていくことを誓った。執行部のシャッパが総会で信任されれば、初の二世会長、沖縄県人会長としても初の連合会長が誕生することになる。
 シャッパ提出期限となる十七日の午後一時半、与儀氏、山田康夫滋賀県人会長(県連副会長)から竹下康義選挙管理委員(委員長代理)に、与儀氏を会長候補とするシャッパが手渡された。
 現執行部から提出されたシャッパは、東海地方から一県、近畿地方から二県、中国地方から三県、四国地方から一県、九州地方からは福岡以外の七県と、西日本の県人会中心。
 「日本語ができないために一世の人たちに多く入ってもらいたい」との意向を示していた与儀氏の言葉通り、七人の副会長のうち六人を一世が占めた。また、現執行部からは八人の役員、五人の新県人会長もメンバーに入っている。
 無事提出し終えた与儀氏と山田氏は事務所で記者会見。与儀氏は、「副会長に一世の人たちが多く入ってもらって日本との繋がりをしっかりしたい」と希望を述べた後に、「(総会後は)〃与儀派〃、〃中沢派〃に分かれてではなく、一緒になって県連を盛上げていきたい」と目標を口にした。
 第八回フェスティバルの会場業者から起されている追加請求訴訟については、「裁判はなくしていきたい」と前置きしながら、「これは払う必要はないもの。相手側から起された裁判なので、現在県連のために防御している状況」と説明。
 一月、二月の県連代表者会議の席上で取り上げられた定款改正問題に関しては、「総会が終わった後に、どこを改正するかしっかり検討していきたい。弁護士や各県人会の意見を聞きながら今年いっぱいまでにいいものを完成させたい」と語った。
 県連として初の二世会長になることについては、「二、三世の会長が増えてきている中、一世の皆さんが一緒にやってくれる今は良い時期だと思う。二世会長として自分の責任は大きいが、良い県連を作りたい」と力強く話した。
 その時、同じく立候補宣言していた中沢氏が事務所を訪問。「力及ばず十四人のシャッパが組めなかった」と事実上の〃敗北宣言〃をした後、「私にできることがあれば、今後できるだけ県連に協力していきたい」と述べた。その後会見に加わった中沢氏は、裁判問題について問われ、「なるべく裁判から外して、協力的にもっていきたい。新執行部に対して協力はしていく」と協力姿勢を見せた。
 竹下氏は「十四時二十分の時点で、与儀氏の提出シャッパをシャッパAとして受理」と宣言。午後五時の締め切りまでに他のシャッパは提出されなかった。
 複数候補による選挙戦も予想された今回の県連執行部改選。最終的に単一シャッパとなったため、二十七日に行われる定期総会では投票を行なわず、出席者に信任の意思を問う形になる。

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