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東西南北

ニッケイ新聞 2008年3月27日付け

 サンパウロ市の地下鉄、特に東西に走る線は世界一混んでいる。その上、車両故障などが重なれば、当然乗客の気分も荒れる。残念ながら、地下鉄や電車(CPTM)の乗客同士のケンカや、駅職員らへの悪態や暴行が一月から二月にかけ、二倍以上に増えている。六~九時、十七~十九時のピーク時の地下鉄は、一平米当り八・六人を乗せ、計一〇〇万人を運ぶという。現在、一日平均三四〇万人の人が利用している。
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 リオ州のデング熱の流行はなかなか収まりそうもなく、今回の流行は最悪といわれた二〇〇二年を上回ると見られている。一説には九〇年代以降途絶えていたヴィールスが復活したため、子供の罹患率、死亡率が高くなっているというが、州や市が特別なデング熱対策をとっていなかったとの報は驚き。予算も削減され、流行が叫ばれている中でも支出はごく一部。ぐったりした様子で何時間も診察を待つ人や子供を亡くし放心状態の人々の姿が痛々しい。
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 聞く人を震撼とさせているのが、妻の浮気を知って、相手を射殺し、十字架を刻んだ棺おけの絵と男性の名前、殺した日付を腕に刺青した男の話。昨年十一月二十一日にサンパウロ市で起きた事件で、今月十九日に自首してきた犯人の「刺青にすれば、自分が監獄に行っても、地獄に行っても相手を道連れにできる」との言葉に背筋が寒くなる。相手からも脅迫されたというが、あいつが生きていたらまた殺してやるとも。子供がいなかったら妻も殺していたかも。
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 全国で年間八万五千人が罹患している結核に対して注意を呼びかけるキャンペーン実施中。三週間以上セキが続いている人などは、一度検査をと呼びかけている。

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