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本門佛立宗=日本移民史とあゆんだ百年=リンス=日本から小山日誠上人むかえ=開教の地 大宣寺で記念法要=全伯11カ寺から千人参集

ニッケイ新聞 2008年4月1日付け

 第一回移民船「笠戸丸」でブラジルへ渡った本門佛立宗が今年、伯国での開教百周年を迎えた。ブラジルにおける仏教のさきがけとなった同宗。節目の年を祝うため、日本からは第二十四世講有・小山日誠(にちじょう)上人ほか、七十人以上の慶祝団が来伯。三月三十日、リンスの大宣寺で営まれた記念法要には、全伯十一カ寺から千人を超える信者が参集した。同宗では百周年を記念して同寺敷地内に「茨木日水資料館」を建設。法要とあわせ開所式が行なわれた。
 法華系の本門佛立宗は一八五七年、長松清風(日扇上人)によって開かれた本門佛立講が始まり。ブラジルでの布教は、第一回移民船「笠戸丸」で渡伯した茨木友次郎(日水上人、一八八六―一九七一)とともに始まった。
 笠戸丸移民を計画した皇国植民社長、水野龍が信者だった同宗清雄寺の日教上人を通じ日水上人が渡伯。ズモン耕地から各地を経て、三六年、ウニオン植民地(聖州グアイサラ)の松原米治氏の土地に最初の布教施設を建設した。同宗が伯国の正式認可を得たのは、渡伯から三十七年後だったという。
 五一年、リンス市に最初の寺となる大宣寺を創建。現在はサンパウロ、パラナ、リオ各州で十一カ寺が活動している。信者は現在、約三千家族一万人。
 小山日誠上人、慶祝団の一行は今月二十七日に着伯。イビラプエラの開拓先没者慰霊碑、水野龍の墓地などで法要を行なった。
 リンス大宣寺で三月三十日午前八時過ぎから営まれた記念法要には、サンパウロからのバス六台を含み、全伯各地から千人を超える信者が参集した。
 法要後、日誠上人は、渡伯後の苦難の中で続けられた日水上人の布教活動を「移民にとってどれほど大きな安堵を与えたか計り知れないものがある」と振り返り、「仏教の種をブラジルにもたらした」とその功績を称賛。故人となった教務、信者などの尽力にも触れ、さらなるブラジルでの布教活動に期待を表した。
 ブラジル本門佛立宗の田尾清理事長は「きっと語り継がれることと思います」と法要への感謝の言葉を述べるとともに、日本からの慶祝団、ブラジル側関係者の協力に謝した。
 日誠上人から、功労者として須山菊恵さんに記念品、特別褒賞として松原米治氏の孫、茂男さん、菊地義治元理事長、溝口昭さんに茨木日水章を授与。派遣教務、伯国先師への褒賞授与も行なわれた。リンス市のヴァルデマール・カサデイ市長から日誠上人に「リンス市特別来賓」の記念プレートが贈られた。
 五世の子供たち五人による感謝と誓いの言葉のほか、「ブラジル教区百年の歴史」のDVD上映にあわせ、松原氏のひ孫にあたるリナさんが先人へ感謝の言葉を述べた。子供たちによる「日水上人の歌」合唱なども行なわれ、式典は閉幕。その後は本堂に隣接した茨木日水資料館の開所式が行なわれた。
 同資料館は、以前の大宣寺の建物を約三十万レアルかけて改修増築したもの。日水上人の墓が移されているほか、生前の写真や使っていた道具、資料などが展示されている。
 日誠上人、市長らによるテープカットの後、墓碑前で法要。その後、敷地内の記念モニュメントで参詣者一同による記念撮影などを行ない、正午前に記念祭典は終了した。
 最初の布教施設ができた当時ウニオン植民地に住んでいたという石原八千代さん(聖市在住、82、二世)は、「ここに私が写っていますよ」と当時の写真を指差し、「日水上人は信者で病気の人がいるとどこでもお参りに行っていました。リンスまで歩いて行ったそうです」と当時を振り返っていた。
 ブラジル本門仏立宗では資料館のほか、百周年を記念して日水上人の伝記(ポ語)も出版。五日にはクリチーバ如蓮寺の改修落成式が同地で開かれる。

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