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ピラール・ド・スル=今年も柿の収穫祈願祭=寒空の中約百人が参加

ニッケイ新聞 2008年4月12日付け

 APPC(サンパウロ州柿生産者協会、午腸修二会長)は、四日、ピラール・ド・スルの豊田一夫さんの農園内で、「第四回収穫祈願祭」を開催した。肌寒い中始まった同祭には、生産関係者など約百人が訪れた。
 同祈願祭は、二〇〇三年に浦田昌寛JICAシニアボランティアが赴任した時に、「柿の生産だけではなく、祈願祭など細かいことも知ってほしい」との考えから始まったもの。
 来賓者一同によるテープカットに始まり、山下フランシスコ高広APPC副会長の開会宣言。続いて、収穫を祝うお払いの儀が行われた。
 午腸会長は開会のあいさつで、四度目を迎えた祈願祭を喜びつつ、「政府などの助成によってAPPC関係者は助けられている。柿を生産できていることは、生産者にとっての誇り」と嬉しそうに話した。
 その他、JICAサンパウロ支所の村上ヴィセンチ日系社会担当、馬場光男JATAKサンパウロ事務所所長、SEBRAE(小規模・零細企業支援サービス)のカルロス・デ・フレイタス氏、同市市議会のアンジェロ・パイオッチ氏、同市市役所のルイス・ヘンリッケ・デ・カルヴァーリョ氏たちが来賓としてあいさつを述べた。
 APPCでは、〇〇年から富有柿の海外輸出が始まり、現在ではイギリス、スペイン、ドイツ、オランダ、アラブ首長国連邦、カナダなどに出荷している。現在では、年間約五、六万ケース(約百九十二トン)を海外に輸出している。
 近年は富有柿の品種改良が進み、味もさらによくなってきていて、評判も上がっている。
 浦田シニアは「生産能力は日本に劣らない。美味し柿が市場に並ぶようになれば、ブラジルの需要も伸びていくだろう」と期待を込めて話した。
 最後には、豊田一夫さんから午腸会長に三百五十五本の柿の苗を寄贈した。
 鈴木守さんの閉会宣言で、昼食会へと移った。森岡カルロス明さんの乾杯で参加者の持ち寄った料理に舌鼓を打った。

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