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将棋連盟=日本のプロ棋士2人が来伯=ブラジルの愛好者にエール

ニッケイ新聞 2008年5月3日付け

 ブラジルで将棋普及や指導を行なうため、日本将棋連盟のプロ棋士二人が一日に来伯した。来伯したのは安恵照剛八段と、石川陽生七段。移民百周年記念事業の一つで、同連盟からのプロ棋士の正式派遣は、約十五年ぶり二回目。両棋士が二日午前に会見し、抱負を語った。
 安恵八段は、四十年ほど前、「あまりにプロへの道が厳しいから、将棋の普及をかねてブラジルで新たな人生を考えよう」と、訪伯を望んだこともあったという。
 まもなくプロになったため、実際にブラジルを訪れることはなかったが、今回プロ棋士として訪伯できたことを大変喜ぶ。「ブラジルの若くて実力ある棋士が育って、日本の将棋連盟で活躍する人が出て欲しい」と期待を寄せる。
 「前回将棋を指した人たちと会うのが楽しみ」と話す石川七段は、〇一年以来、二回目の来伯。「何千キロも離れた町から大会に参加する将棋愛好者が多いことに情熱を感じる」と笑顔だ。
 プロへの登竜門である奨励会(日本将棋連盟)に所属し、父親の仕事の関係で滞伯している浅野大介くん(14、東京)については、「将棋の普及と交流に貢献してくれている。プロへの道は厳しく険しいが、ぜひ努力してほしい」とエールをおくっていた。
 両プロは二日午後、サンパウロ市リベルダーデ区のブラジル将棋連盟会館を訪れ、愛好者らに飛車・角落ちの三面指しで指導した。石川七段に挑んだ古波蔵実さんは、「いい手を指して勝たせて頂いた。『強いですね』と言ってもらいました」と笑顔。景品として扇子をもらっていた。
 きょう三日午前十一時から、宮城県人会会館(ファグンデス街152)で両プロの歓迎昼食会、四日午前九時から同会館で、王将戦大会が開催される。
 同大会には、ポルトアレグレ市の大学に通う学生五人が駆けつけ、両プロの指導を受ける。
 両プロは七日に離伯する。

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