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USPで学生とご接見=ポ語の挨拶に一同感動

ニッケイ新聞 2008年6月21日付け

 皇太子さまは二十日午前十一時、サンパウロ市セントロにあるサンパウロ大学(USP)法学部をご訪問され、各学部から選抜された学生ら四十人とご接見された。一八二七年に創立された伝統ある同学部を訪問される皇族・王族は、今回が始めて。
 スエリー・ヴィエラ法学部学長が出迎える中、カメラの放列がずらりと並び、皇太子さまが車から降りられた。正面玄関には日伯両国旗が高々と掲揚され、入り口すぐの壁に設置されたご訪問記念プレートを除幕され、大講堂に入られた。
 中では、憩いの園の入園者ら老移民二十人を含め、USP卒業生や同学部関係者、同学コーラス隊など約五百人が歓迎した。
 続いて、各学部から選抜された学生四十人が控えていた別室に移られた。皇太子さまはポ語であいさつ原稿を読まれ、「二国がより緊密な関係を築き、世界の中でのお互いの役割を果たす関係を築くことを期待したい」とのべられた。
 その後、学生一人一人にお声をかけられた。体育スポーツ学部のアレシャンドレ・カナノ・ササキさん(28、三世)はその感想を、「最初はとても不安だったが、話してみると身近に感じた。社交的な方だと感じた」と語った。
 教育学部のアンジェリカ・アケミ・ヨナミネさん(18、三世)は「ポ語であいさつをされたので、とても驚き、感動した。殿下ご自身が学生との対話を望まれたと聞き、すごく嬉しかった」という。
 さらに、工学部のマルセロ・シゲオ・トヤマさん(22、三世)は、「殿下が二国間の交流促進で世界に貢献しようと話をされたのを聞き、私もそれに向かって努力しなければと思った」としみじみ語った。トヤマさんは、この週末に百周年祭典で剣道のデモンストレーションを披露することになっているという。
 ヴィエラ法学部学長は報道陣の取材に答え、「USPでは日系学生は一四%、日系教授は八%を占め、日本とは特別な絆がある」と語り、「今日はUSPにとっても歴史的な日だ。世界の最優秀二百大学に入っているが、このご訪問でその価値が世界的に再認識された」と喜んだ。

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