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栃木県人会ことし50周年=日本から慶祝団迎え=300人参会、盛大に式典

ニッケイ新聞 2008年6月27日付け

 栃木県人会(坂本アウグスト進会長)は、二十二日午前十時から、会館で、創立五十周年式典を開催した。県の関係者十一人と日本から慶祝団二十六人、県人会会員百七十人、日系団体の関係者らが参加した。
 今年が移民百周年ということもあり、西林万寿夫在サンパウロ総領事、西川公也衆議院議員、石坂真一栃木県議会議長や長澤音三郎栃木県海外移住家族会会長、福田富一栃木県知事らを招き、盛大だった。会場に用意された席、約二百席が満席。立ち見の人は六十人近くにのぼった。
 式辞で坂本会長は、「笠戸丸移民から百年、汗と涙で苦闘した初期の栃木県人もほとんどが亡くなった」と涙ながらに語った。
 福田知事は「栃木は今年で百三十五歳になります。八千五百人の日系ブラジル人が住み、イチゴの生産量は日本一。世界一のイチゴ研究所を作りたい。また、各種農産物を利用、ブラジルの技術などを参考にし、バイオエタノールを製造していきたい。五十周年を迎えたのは会長はじめ会員のおかげ。皆さんのことは忘れません」と述べた。
 石坂県議会議長は「皆さんは百年前に日本を離れ、ブラジルにきたが、言葉では語り尽くせない努力があった。日本人の持つ不撓不屈の精神でブラジルの発展に貢献したことを誇りに思う。今回、ブラジルに来れたのは一生の宝だ。日伯の協力関係は深まってきている」とあいさつ。
 西川議員は「今一番活気がある国はブラジル。日本の新幹線や原子力発電の技術をブラジルに提供できることをうれしく思う。日伯両国は百年前には考えられなかったほど関係が密になった」と論じた。
 婦人部のコーラス団が日伯の国歌、「ふるさと」「海を渡って百周年」を斉唱した。
 功労者表彰で石井千秋さんを含む四人、および高齢者(八十歳以上)三十人が表彰された。功労者代表謝辞で石井千秋さんは「受賞した方々にかわりありがとう。母国の発展と繁栄を祈る」と話した。
 最後の記念植樹では、久保田豊総合司会が「県人会がこの木と共に成長することを願っている」とした。

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