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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2008年7月8日付け

 アフリカは広く大きい。北のエジプトなどは政治や社会情勢もかなり安定しているが、サハラ以南には貧困や飢餓―エイズの感染が広がり涙を流す国もある。文化や文明の格差もあり、エチオピアにある古い宗教施設は今も輝きを失っていないが、こうした光を放つものが極めて少ない国もある。井戸がないために水がないと悩み苦しむところもいっぱいだ▼そんな国々から大勢の人々が日本に集まり会議を開いている。今、アフリカには53ヵ国あり、日本が承認していないソマリアを除き52ヵ国の政府代表が「21世紀の繁栄」について意見を闘わせ議論を繰り広げる。このアフリカ会議(TICAD)は日本が主催し5年に1回開かれ今年が4回目である。首脳級の参加は第1回が5人、第2回13人、第3回23人、そして今回は40人と激増している▼これは支援への期待もあるからだろうが、それよりもアフリカからの発言を求めているからに他ならない。食糧不足についても深刻な現状について訴えているし、エイズに対する危機感もある。こうした窮状を聞きながら福田首相が、ODAの倍増、円借款を40億ドル提供すると約束し、民間企業の進出にも助成すると語ったのは評価していい▼日本の外交はその場主義で自主性がないの批判もあるが、このアフリカ会議は成功例と見たい。日本外交の機軸は日米にあるが、国連を軸にした幅広さも必要であり、そのためにもアフリカと共に歩むの姿勢を大事にし絆を強くしたい。24日付け樹海に1人が70万円の借金は、約800万円の誤記につき訂正しお詫びします。(遯)

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