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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2008年8月13日付け

 いつまで百周年協会の会費を払うのか? 六月の式典を終え、加盟団体代表からは「二百周年まで払い続けにゃ、いかんのか」と揶揄するような声も聞く。松尾治執行委員長は「十二月まで百周年イベントが続く。少なくとも年末までは払い続けて欲しい」という▼百周年協会は定款に二〇一〇年までになくなると明記されており、規定の路線では来年中にも実質的に役割を終える。ところが、資金集めを担当した免税口座団体(OSCIP)は百周年以降も存続するので、少々ややこしい話になっている▼百周年協会顧問の渡部和夫氏はこのOSCIPを基金にして、百周年後の日系社会の文化振興や日本文化の普及に役立てたいと考えている。以前の理事会でも「百周年で残ったお金を基金にして」という発言をしていた。基金の主旨は多いにけっこうだが、問題は残るかどうかだ。現状では雲行きは怪しいようだ▼残らないなら、今から誰がどうやって集めるかが問題だ。今年前半に式典や日本文化週間のために莫大な金額が集められ、今なお集金中だ。まずはその精算をきっちりしなくては▼百周年の上原幸啓理事長は「新団体ばかり作っても何も進まない」と先の理事会で言った。その通りだ。本来は文協がやるべきだった百周年を、新団体をわざわざ作って任せてきた経緯がある▼本当なら百周年の機会を活用して、文協が全伯日系団体との絆を作り直す絶好の機会だった。文協が基金を運営しても良いはずだ。新団体で力を分散させるのではなく、腹を据えて文協を立て直す形で、百周年後の体制作りをして欲しい。百周年をイベントで終わりにしてはいけない。(深)

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