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日伯地域リーダー交流=山中イジドロ氏が講演=「人間的なつながりを」

ニッケイ新聞 2008年7月26日付け

 ブラジルと日本の交流促進を目指す「二十一世紀の日伯地域リーダー交流事業」で来伯中の二十人は、二十一日午前から文協ビル内で開催された山中イジドロ氏(元農務大臣特別補佐官)の講演会に参加した。
 山中氏は講演会の中で、日系人にも日本人の血が流れているために、外国人とは思ってほしくない、と強調。また、政府に関わっていた経験を元に「外交ルートで話し合うと物事は進まない。実際に実施できたものは何一つない」と語った。
 また、「日伯間のパイプを太くして、人間的な繋がりを強くしていくべき」と見解を述べた。
 今回の百周年式典に関わった山中氏は「日系人は総領事館に相談することが多い。まずブラジル政府に相談するべき」と疑問を呈した。続いて、ブラジルで三百四十九のイベントで行われ、日本では五十三のイベントが行われたことを話し、「数字を見て分かるように、日伯交流が活発化している」と強調した。
 最後に「優秀な日系人に日本文化を学んでいただきたい。その手助けをして欲しい。ブラジルのマジョリティーを日本社会に溶け込むような手助けをしてほしい」と話し、講演会は終了した。
 広島から参加しているオタフクソース株式会社総務人事部教育グループグループリーダーの藤野亮氏は「『百聞は一見に如かず』だった」との感想を述べ、講演に対して「国ありきの交流ではだめ。できない理由を挙げる人が多いが、自分でできることを考えていくべき」と前向きな意見を発表した。

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