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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2008年9月10日付け

 日本で出ている週刊ポ語新聞で最近、「デカセギ子弟の夢は帰伯して大学で勉強すること」という記事が出た。これを読んで何とも言えない切ない気持ちになった▼いわく、「全ての青年は将来に不安定感をもっている」という。いつか日本にいられなくなる、との不安感だと推測する。地に足がつかない、腰が据わらない、かといって帰伯するにも不安がある。両親がデカセギを選んでしまったとたん、子供たちは自らの選択ではないそんな状況に置かれ、不安感に苛まれる▼日本の政治家や官僚には、デカセギ子弟たちが将来に不安を抱くような類の発言を控えてほしいと切に思う。たとえばビザ更新で日本語能力が問われるようになるとか、滞在要件が厳しくなるようなニュアンスの発言だ。デカセギ第一世代(親)への締め付けのつもりかもしれないが、日本で生まれ育った子弟はすでに移民だ。親の動揺が子供に伝わり、どれだけ人生設計に暗い影を落とすかしれない▼大半が無資格の欧米在住ブラジル人労働者の中に比べ、デカセギは合法滞在である点が異なる。合法であるはずの子弟が将来に不安を持つ状況は、多文化共生という掛け声とはかけ離れた実態だと言わざるをえない。合法的に受け入れた事実を忘れた無責任な態度ですらある▼日本での高校卒業者は非常に少なく、大学入学は夢。それなら帰伯して大学進学なら可能だろうと夢想する。だが、ろくにポ語教育すら受けていない子弟が帰伯しても、就職に有利に有名大学には入れない▼つまり、帰伯しても辛い現実が待っている。日本社会には、彼らが人生設計に肯定的になれる雰囲気を作ってほしい。(深)

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