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東西南北

ニッケイ新聞 2008年9月30日付け

 二十九日は、ブラジル文学界巨星で、「ドン・カズムーロ」など、一世紀を経てもなお斬新と評される作品の数々を世に送ったマシャ―ド・デ・アシス氏没後百年。「ドン・カズムーロ」を翻訳した英国文学者は、翻訳過程で発見した同氏の魅力を紹介する著書を最新刊として刊行したという。
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 ユダヤ教の大晦日にもあたる二十九日は、ユダヤ教の代表的な行事「新年の祭り」の始まりの日。サンパウロ州のユダヤ人社会では、ユダヤ教の習慣から離れた同胞にも新年の行事に参加するよう呼びかけたという。国や民族の伝統を保とうとする人々と共に、周りに同化し、伝統から遠ざかっていく人々がいるのも全てのコロニア共通か。
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 パラグアイとの国境の町で起きた大量殺人の報道後、都市第一コマンドがリオ市での麻薬密売でも暗躍していることや、サンパウロ州からリオ州に向かうヅットラ街道を中心に、麻薬類の押収量が急増していること、麻薬の運び屋として青年達が積極的にリクルートされていることなど、気がかりな報道が相次いでいる。大量殺人の起きたグアイーラの町では、殺害された青年四人と殺害を免れた青年二人が学んでいた学校の生徒らが、仲間の死を悼み涙する様子も報じられた他、ボリビアと国境を接するアマゾン地域でも麻薬流入を防ぐための取締り強化の必要が叫ばれている。
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 サンパウロ市東部で二十八日、バスを待っていた人の群れに乗用車が突っ込み、一〇人が怪我、うち二人は重体という事故発生。スピードを出したままで追越しを掛けようとした際、くぼみにはまってコントロールを失ったもの。時速速百キロ位だったとの証言もあり、バス停の屋根も破損した。

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