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海藤三味線教室会=「民謡の祭典」盛大に=4時間多彩な30演目=洋楽器共演、居合抜きも

ニッケイ新聞 2008年10月16日付け

 海藤三味線教室会の発表会「第三回民謡の祭典」が、十二日午後一時からブラジル宮城県人会会館で開催された。同教室(海藤司会長)の生徒や海藤ファミリーの発表のほか、ブラジル日本民謡協会の「南部餅つき唄」、アルジャ日本語学校の三味線や尺八の演奏、レジストロ民謡大和会の「花笠音頭」や「ソーラン節」など、約十五団体が三十以上の演目を披露。四時間という長丁場だったが、約百二十人がそれぞれの発表を堪能していた。
 幕開けを飾ったのは、芸歴十年以上という海藤さんの息子、一平さん(26、二世)と甥の赤堀雄三さん(24、二世)による「津軽じょんがら節」。津軽三味線特有の激しい演奏で一気に観客を引き込んだ。
 佐々木ファミリー(佐々木夏代代表)の発表では、角田カズキくん(8、三世)、ルミちゃん(12、三世)が唄いながら小さな体いっぱいに太鼓、三味線を演奏。「ドンパン節」、「八木節」を披露した。
 同教室の三味線奏者約十人をバックに「津軽甚句」を唄ったのは、石橋みつこさん(26、三世)。二カ月前に始めたばかりの民謡を初披露。「民謡は他の音楽と違う。声が思いっきり出せて気持ちがよかった」と感想を話していた。
 途中、空手家の森山雅和さん(森山道場主)が特別出演。居合切りを見せ会場を沸かせた。観客が固唾を飲む中、寝そべった男の上に置かれたメロンを一刀のもとに切った。
 特別ゲストとして招待されたコロニア民謡歌手の石川諭さんは、故郷北海道の「北海盆唄」や「あいや節」を迫力の歌唱力で熱唱。「北の漁場」は、キーボード、ベース、ドラムをバックに芸歴四十年の歌声を響かせた。
 最後は海藤三味太鼓グループにより、「マドルガーダ」や「荷方」など、洋楽器と三味線の斬新なコラボレーション、また「秩父屋台囃子」で祭の雰囲気が再現され祭典を締めくくった。
 海藤さんは、全ての発表終了後、「今後も民謡をひろめたい」と短く話し、あいさつ代りとして海藤ファミリー全員で「ソーラン節」を合奏。会場は立ち上がって一緒に合唱し和やかに幕を閉じた。

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