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百周年=野球通じた日伯交流=記念の4大会が終了=社会人は新日石6勝1敗

ニッケイ新聞 2008年10月23日付け

 ブラジル日本移民百周年を記念して、今年二月からデンソー、八月に早慶戦、九月に高校野球がそれぞれ来伯した。日伯親善交流大会の最後を飾る社会人野球、新日本石油ENEOS対ブラジルナショナルチームの最終戦が十九日にサンパウロ市ミエ・ニシ球場で開催され、十一対一、十六対一で新日石ENEOSが投打に圧勝し、通算成績を六勝一敗とした。ブラジル野球ソフトボール連盟の大塚ジョルジ会長は、今年一年の日本野球来伯を振り返って、「移住したお年よりの人たちに楽しんでもらえたと思う」と満足した様子で語った。
 当日は、雨模様にも関わらず約二千人が来場。午前八時半から始まった開会式に続いて、午前九時半から試合開始。ENEOS先発は米大リーグ挑戦を表明している田澤純一投手、伯ナショナルチームは米大リーグ・ホワイトソックスのルーキーリーグでプレーするアンドレ・アルバネス・リエンゾ投手の投げあいで始まった。
 ENEOSは投手陣を中心とした堅い守りで第七十九回都市対抗大会を制覇したが、同試合ではホームラン六本を含む十一安打の猛攻で十一得点を挙げ、十一対一で快勝。田澤投手は五回を投げ、被安打五、無失点で切り抜けた。
 続いての二試合目は、ENEOSが同大会で優秀選手に選ばれた清見賢司投手、ナショナルチームは日系ブラジル人として初のメジャーリーガーを目指している松本ジョー投手がそれぞれ先発。新日石ENEOSは初回から三回までの猛攻で、十一得点をあげ、十六対一の七回コールドゲームで終了した。
 田澤投手は試合を終えて「ヒットは打たれたけど、その後抑えられたことが良かった」と振り返り、「ブラジルの選手たちはストレートが強い選手ばかりなので、あえてストレートを中心に勝負して抑えられたのが良かった。違う国の人たちと戦えて励みになった」と感想を述べた。
 今回の遠征を振り返って新日石ENEOSの大久保秀昭監督は「日系人が中心で、バッティングのパワーが強かった」と印象を語り、「地球の裏側ブラジルで、言葉も通じないなかで、野球で話しあえたのは良かったのではないだろうか。野球を楽しめて、経験になったはず」と充実した様子で話した。
 デンソー、早慶戦、高校野球、社会人野球の受け入れに奔走した大塚ジョルジ会長は「今年百周年を記念して、高齢者にとって一番興味のある野球を見せられたのは良かった。きっと多くの人が満足していると思う」と安堵の表情で語った。
 全試合の結果は次の通り(順番に新日石、伯ナショナルチーム)。▼十一日=クリチーバ=九×三、▼十二日=ロンドリーナ=七×二、三×七、▼十六日=イビウーナ=三×二、▼十八日=イビウーナ=六×一、▼十九日=サンパウロ市=十一×一、十六×一。

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