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ひとマチ点猫=第1次1回の猛者たち

ニッケイ新聞 2008年10月24日付け

 コチア青年の還暦・古希・喜寿祝いに集まった第1次1回(55年着伯)のみなさん。
 70歳になって「何かしなきゃ」と思い立って伸ばしはじめたヒゲをさすりながら、伊勢脇さんは「モイーニョ・ベーリョに到着して、初めて喰ったフェイジョンが美味かったのを憶えとるよ」と懐かしそう。
 「学生が行けるような甘いところじゃない」。当時学生だった黒木政助さんは、コチア青年の募集に訪日していた下元健吉氏から、そう言われたことを昨日のことのように憶えている。
 「当時の移住斡旋にはうまい話、眉唾話が混じっていた」。むしろ、下元氏が「笑顔一つ見せなかったことで、これは本物だと直感した」という。
 下元氏はわずか3年後、57年に早逝したため、コチア青年の多くは会ったことがない。〃下元訓話〃を聞けたのは初期渡航者の特権だったようだ。(深)
写真=後列左から中山徳雄さん(78)、黒木政助さん(73)、黒木彗さん(73)、前列左から村上正さん(77)、村上夫人の淑さん(75)、伊勢脇英世さん(73)

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