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山本喜誉司賞決まる=農業分野の貢献たたえ=28日、文協で授賞式

ニッケイ新聞 2008年11月19日付け

 農業分野における貢献者を称える山本喜誉司賞(文協主催)の第三十八回受賞者五人が決定した。二十八日午後七時から、文協ビル貴賓室で受賞式と祝賀パーティーが行われる。また式典では、百周年を記念して、第一回から選考委員を務めてきた谷口出穂さんに感謝状が贈られる。
 十五人の同賞選考委員会(高橋一水委員長)メンバーによって、十四人の候補者の中から五人が決定された。今受賞者を含め、今までに百二十二人が選出されている。
 同賞は故・山本喜誉司氏(初代文協会長、農学博士)が農業技術者の育成を目的に設立した日系農業技術研究会(ABETA)がはじまり。選考基準は、「品種改良」「技術革新などの農業専門分野での功績」「農業分野へのあらゆる社会的貢献度」のいずれかに該当し、地域から推された人。
 高橋委員長と杓田美代子副委員長、藤井剛三さんが当紙を訪れて報告をした。それによると、今選考会で、初めて満票で選出された人がいるという。高橋委員長は、農業分野で業績を残してきた日本人の活躍を喜んでいた。
 なお、現在同委員会では三年前から記念誌を編纂している。両語で、来年三月頃に発刊予定。
 受賞式出席者は、二十二日までに文協のベッチさん(3208・1755)まで要連絡。参加費は一人五十レアル。受付は午後六時から。
 【受賞者と受賞理由】(敬称略・順不同)
 ◎山田勇次(61、北海道)=ブラジル最大規模のバナナ(プラタ種)出荷量を誇るBrasnica社(ミナス州ジャナウバ市)創立者、現社長。バナナのほかにも柑橘類などの果物栽培、牧場経営などを通じて地域密着型の経済発展に貢献した。一九九六年に同市名誉市民の称号を受ける。
 ◎鈴木邦男(80、福島)=飼料用酵素と堆肥製造用醗酵菌を開発。シイタケのブラジル適合種菌を選抜し、シイタケ栽培技術を確立、産業化に貢献。
 ◎藤倉恵三(76、山形)=二〇〇一年に鶉原々種孵化場第一号の実用新案特許を取得。白色卵や鶉コルテ、鳥インフルエンザウイルスの予防ワクチン開発にたずさわっている。
 ◎柿原孝(79、静岡)=九二年にカッポン・ボニート市議会表彰、今年、外務大臣賞受賞。キウイ、ペカンの品種改良と普及、ウコンの普及と栽培に貢献。
 ◎益田照夫(66、愛媛)=ピエダーデで高品質な果物の益田ブランドを確立し、技術普及に努めた。今年、NHKでも益田果樹園が紹介された。

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